介護支援ブログ

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サービス提供責任者が鍵の加算!確実に加算を取りませんか?

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 訪問介護においてとれる加算は色々ありますが、加算条件が厳しいものや、どのように取ったらいいのか分かりづらい加算があります。

 今回は、訪問介護のサービス提供責任者の資格や、年数等の要件が関わる、特定事業所加算、生活機能向上連携加算に焦点を置いて、加算を見ていきたいと思います。

 「本当はもっと加算を取ることができるのではないか?」「自分の資格が生かせるかもしれない」など、ご自身の資格等で加算を取ることを考えておられる介護事業者・サービス提供責任者の皆様、ぜひご一読ください。

 

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サービス提供責任者に関する加算

 サービス提供責任者の資格や、経験年数等の要件が重要になってくる加算には、

  • 特定事業所加算
  • 生活機能向上連携加算

が、挙げられます。

 どちらの加算についても、算定するためにはサービス提供責任者にどのような要件が必要なのか、加算の概要と共に見ていきたいと思います。

 

特定事業所加算

  • 加算概要

 特定事業所加算は、「専門性の高いスタッフを確保」し、「中重度者の訪問介護にも対応できる」事業所を評価することで、地域全体の介護の質の向上、中重度者の在宅生活の支援を目的として創設された加算です。

 これまで数回の改正が行われ、現在は4段階の加算段階があります。

 加算を受けるためには、体制の要件、人材の要件を満たす必要があります。

 

  • 加算内容

 届け出を行い、基準が満たされていると認められた事業者が指定訪問介護を行った際には、達成している基準の段階により以下の単位数を加算することができます。

 

 特定事業所加算(Ⅰ) 所定単位数の100分の20に相当する単位

 特定事業所加算(Ⅱ) 所定単位数の100分の10に相当する単位

 特定事業所加算(Ⅲ) 所定単位数の100分の10に相当する単位

 特定事業所加算(Ⅳ) 所定単位数の100分の  5に相当する単位

 

  • 人材要件

 どの段階の加算を満たすためにも、サービス提供責任者の要件が重要になります。

 特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の加算に必要な要件をまとめましたので、以下の表をご参照ください。

 

特定事業所加算(Ⅰ)

特定事業所加算(Ⅱ)

特定事業所加算(Ⅲ)

特定事業所加算(Ⅳ)

サービス提供責任者に関する要件

訪問介護事業所のすべてのサービス提供責任者が、3年以上の実務年数を有する介護福祉士、または、5年以上の実務経験を有する旧介護職員基礎研修課程修了者もしくは、旧一級課程修了者であること。

利用者数が40名を超える事業所で、サービス提供責任者が2名以上必要な事業所であれば、2名以上の常勤のサービス提供責任者がいること(常勤換算法は不可)

特定事業所加算(Ⅰ)と同様

※下記の訪問介護員に関する要件か、どちらかを満たせばよいです。

 

利用者数が40名を超えない事業所で、サービス提供責任者が2名以上必要ではない事業所であれば、1名以上の常勤のサービス提供責任者がいること(常勤換算法は不可)

訪問介護員に関する要件

訪問介護事業所の訪問介護員のうち、介護福祉士の占める割合が100分の30以上もしくは、介護福祉士、旧介護職員基礎研修課程修了者もしくは、旧一級課程修了者の占める割合が100分の50以上であること。

特定事業所加算(Ⅰ)と同様

 

 

重度要介護者等対応要件

前年度または、加算を算定する月の前3カ月における利用者の総数のうち、要介護3、要介護4の人、認知症により、日常生活に著しく障害がある人(日常生活自立度Ⅲ、ⅣまたはM)の割合が100分の20以上であること。

 

特定事業所加算(Ⅰ)と同様

前年度または、加算を算定する月の前3カ月における利用者の総数のうち、要介護4、要介護5の人、認知症により、日常生活に著しく障害がある人(日常生活自立度Ⅲ、ⅣまたはM)の割合が100分の50以上であること。

 

 

 

生活機能向上連携加算 

  • 加算概要

 介護保険制度においてリハビリは、「高齢者の身体状況が低下した際に適切に介入し、生活を維持することが出来るようにするもの」であり、そのためにはその他の関係職種と協働して、高齢者を支えていかなくてはなりません。

 訪問介護においては、訪問介護計画を立案するサービス提供責任者と共に利用者宅を訪れ、共に利用者の身体状況の評価をする機会を設け、計画へ生かしていくために創設された加算です。

 

  • 加算内容

 生活機能向上連携加算 100単位/月

 (計画立案から3カ月間加算が可能)

 

  • 人材要件

 対象の利用者に対して、訪問リハビリテーション事業所または通所リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士(以下、理学療法士等)が、リハビリテーションの一環として利用者の居宅を訪問した際に、サービス提供責任者が同行して、理学療法士等と利用者の身体の状況等の評価を共同して行い、生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成する必要があります。

 

 

まとめ

  今回は、サービス提供責任者に焦点を当て、算定できる加算について説明しました。

 このように、どちらの要件に関してもサービス提供責任者の実務経験や人数等の人的要件や、サービス提供責任者が他職種と協働すること等が必要です。

 なかなか満たすことは難しいものもありますが、今一度ご自身の事業所が要件を満たしているか、算定できる機会はないかを見直し、確実に加算が受けられるようにしたいものです。

 

 最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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特定事業所加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

(専門家監修:矢野文弘 先生)

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