介護支援ブログ

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指定居宅介護支援事業所を開業するための設備基準とは?

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居宅介護支援事業所を開業する時は、必要な設備基準を満たさないといけません。

設備基準には居宅介護支援事業所の必要なスペースや備品が定められています。また、他に手洗い等の衛生設備が必要となります。

ここでは、指定居宅介護支援事業所を開業するための設備基準と設備基準を満たす際の注意点について解説しています。

女性

 

 

 

居宅介護支援事業所の設備基準とは

設備に関する基準は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」の平成11年3月31日厚生省令第38号第20条に次のように定めています。

 

(設備及び備品等)第20条

指定居宅介護支援事業者は、事業を行うために必要な広さの区画を有すると共に、指定居宅介護支援の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない

居宅介護支援事業所を開くために必要な、設備基準の事務室や備品類は次にあげています。

区画

事務室

特に広さの規定はありませんが、人数分の机や椅子、書棚などが設置できるスペースが必要です。

同一事務所で他の事業と共にする場合は、業務に支障がないようにスペースが明確に区分されていなければなりません。

最低限の人数で行う場合、家庭で使用しているようなテーブル1つに椅子を4つ置いていたり、折り畳みの長机を2つ合わせて皆で使用したりする場合もあります。

例えば、事務所が1つで、半分のスペースが訪問介護事業所、半分のスペースで居宅介護支援事業所を行う場合は、パーテーション、仕切り、ついたてなどで明確に区切られ、お互いの業務に支障がないようにしなくてはなりません。

また、同一事業所において他の事業を行う場合は、業務に支障がないならば、それぞれの事業を行うための区画が明確にされていれば行うことが出来ます。

例えば、通所介護事業所の建物内の1室に居宅介護支援事業所を設置する場合、通所介護のスペースと別にとっていれば同じ建物内で行うことが出来ます。

相談室

机と4人くらいがかけられる椅子を置く必要があります。相談室は同じ事務所で他の事業所と共にする場合は相談室を兼ねても構いません。相談室は別室が望ましいですが、区画をパーテーション、仕切り、ついたて等の遮断物を設置し、通行人から見えないようにし、相談者の話が漏れないようにプライバシーに配慮することでも満たします。

相談は利用者が出入りしやすい構造であることや車椅子の利用者の相談も考えられるため、車椅子が入るスペースも考慮に入れた方がいいでしょう。

会議室

サービス担当者会議等に対応するために適切なスペースを確保する必要があります。

また、遮蔽物などで、サービス担当者会議の内容が漏洩しないように配慮しなければいけません。会議室は相談室と兼用することが可能です。

設備・備品

備品

指定居宅介護支援の提供に必要な設備及び備品等を備える必要があります。

備品には、ケアマネージャーの人数分の机、椅子、パソコン、鍵付きキャビネットや書庫、電話、FAX、コピー機等です。同じ敷地内に、他の事業所と一緒に運営する場合、運営に支障がなければ一部備品等は共に使用することができます。

衛生設備

感染症を予防するために、手指消毒が出来る洗面所またはトイレの設備やアルコール、石鹸等を常備することが必要です。

自宅での開業の場合

自宅での開業の場合は、都道府県、市町村によって基準が異なりますが、住居スペースと居宅介護支援事業所とのスペースは完全に分かれていて事業所が独立している必要があります。

自宅の1室を事務所スペースとする場合は、事業所としての洗面所が必要であり、住居スペースと入り口が別であることが必要となります。

居宅介護支援の設備基準を満たす際の注意点

設備基準は、都道府県によって基準が異なる場合がある

設備基準は都道府県によって基準が異なる場合があります。詳しい設備基準は各自治体にお問い合わせください。

実地指導が入る場合がある

設備基準が守られていない場合は、実地指導の際に指導点としてあげられます。実地指導が入るときは、事業所内の衛生面の感染症予防がしっかり出来ているかどうかチェックをしておきましょう。手指消毒のための石鹸やアルコールが設置されているか、トイレや洗面所は清潔であるかなどを確認する必要があります。

また、実地指導の際は指定申請時に提出した平面図と、実際の事業所内のレイアウトが一致しているかが確認されます。レイアウトを変更した後などは、必ず変更届を提出して申請上の平面図と一致させておくようにしましょう。

備品が老朽化してないか、相談室や会議室はパーテーションなどで仕切られ、話が漏れず、プライバシーが守られているかなどもチェックする必要があるでしょう。設備や備品台帳に記載を正しくしておかないと実地指導でチェックが入ることがあります。また、記載事項に不正に違うことを書いたことが発覚した場合、悪質な場合は取り消し処分になる場合もあります。

備品の保管や設置方法をスタッフに周知する

他の事業所と共用する場合、ファイル等を記録のために共用部分に置いておくと、そのまま他の事業所の棚に片づけてしまう恐れがあります。備品やファイル等の置き場所や設置方法を変えた場合は事務所のスタッフ全員が分かるようにしましょう。

自宅で居宅介護支援事業所を開設する場合

設備基準には個人情報を管理する鍵付きのキャビネットか書庫が必要で、個人情報が漏れないようにする必要があります。しかし、自宅で開設した場合、家族や家族の関係者が出入りして個人情報が洩れる可能性があります。

自宅で開設する場合は、自宅の玄関と居宅介護支援事業所との入り口を別にし、居住スペースと居宅介護支援事業所のスペースを明確にしないと申請が通らない可能性があります。自治体によって異なりますので、開設時は各自治体にお問い合わせください。

まとめ

居宅介護支援事業所を開業する場合、事務所や相談室のスペースを確保する必要があります。

また、机や椅子、パソコンや電話などの備品を確保する必要があり、感染予防のための洗面所や手指消毒のためのアルコールや石鹸などを備えなければいけません。それに反すると、実地指導の時にチェックが入るので要注意です。

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