介護支援ブログ

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短期入所生活介護における人員基準とは?

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1カ月などの短期間で介護サービスを受けることができる短期入所生活介護。

利用者がこのサービスを利用することで、介護者であるご家族が休息の時間を設ける

ことができ、共倒れにならないよう上手く活用することが求められています。

今回の記事では、その短期入所生活介護の人員基準について詳しく解説していきます。

ぜひご参考になさってください。

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短期入所生活介護のおさらい

短期入所生活介護とは、特別養護老人ホームなどの施設に短期間(1日から最大30日まで)入所している要介護者に対し、食事・排泄・入浴など必要な介護をはじめ、日常生活を送るうえでの支援や機能訓練などを行うサービスです。

在宅から離れることになるため、毎日介護をしているご家族にとっても、体を休めたり時間を持てたりすることができ重宝されています。

短期入所生活介護の人員基準

ここでは、項目ごとに短期入所生活介護の人員基準を見ていきましょう。

まず従業員の員数はどのようになっているのでしょうか。

そして生活相談員、栄養士、機能訓練指導員と管理者について、それぞれどのような要件があり、職を兼務することは可能なのかについてご説明いたします。

従業者の員数

  • 医師が一人以上必要です。
  • 生活相談員は常勤換算方法で、利用者数100人に対して1人以上必要です。
    うち1人は常勤であることとされています。ただし、利用者定員が20人未満の併設事業所は除きます。
  • 介護職員または看護職員は常勤換算方法で、利用者3人に対して1人以上必要です。
    1人は常勤である必要があります。
    ただし、利用者定員20人未満の併設事業所は除きます。
  • 栄養士は1人以上必要です。
    ただし、利用定員40人以下で、他施設の栄養士と連携が可能な場合は不要とされています。
  • 機能訓練指導員は1人以上必要です。
    ただし、他の職務と兼務することが可能となっています。
  • また、特別養護老人ホームの空床利用の場合の従業員数は、利用者を入所者とみなした際における、老人福祉法上の必要数を確保することとされています。

生活相談員

生活相談員とは、社会福祉主事、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を保有している者、またはこれらと同等以上の能力を有する者であり、常勤換算で100人に1人以上配置されることが必要とされています。

この同等以上の能力を有する者については、各自治体によって解釈が異なります。

 

東京都を例に挙げてみましょう。

認められる者としては、介護支援専門員、特別養護老人ホーム等で介護の提供に係る計画の作成に関して1年以上(勤務日数が180日以上)の実務経験を有している者、老人福祉施設の施設長経験者で施設長として1年以上の経験がある者、特別養護老人ホーム等で実務経験が通算1年以上ある介護福祉士であるとされています。

詳しくは各自治体にお尋ねください。

 

なお、特別養護老人ホームが併設されている場合は、特別養護老人ホームとして確保すべき員数と、短期入所生活介護で確保すべき員数の合計を、特別養護老人ホーム入所者と併設事業所利用者の数を合算した数で常勤換算方法によって必要とする従業員の数とされます。

機能訓練指導員

機能訓練は、利用者が日常生活を営む上で、必要な機能が減退していくことを予防することを目的としています。

そのため機能訓練指導員は、機能訓練を行うことができる能力を保持している者がなるように規定されています。

訓練を行う能力を有する者とは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の資格を持っている者と限定されます。

ただし、日常生活において利用者が行う、例えば風船バレーなどのレクリエーションや、行事などにおいて利用者10名程度で行うラジオ体操などの機能訓練に限っては、機能訓練指導員ではなく、生活相談員や介護職員が兼務して行っても良いとされています。

 

なお、機能訓練加算を取得する場合は、専従の理学療法士等有資格者を配置していることが求められます。

栄養士

原則として栄養士を1人以上配置しなければいけません。

栄養士を置かないとすることができるのは、隣接している他の社会福祉施設や病院などの栄養士と兼務する場合や、地域の栄養指導員(健康増進法第19条第1項に規定する栄養指導員)との連携を図ることができ、適切な栄養管理が行われていると判断される場合です。

この場合においても、当該指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営を行うことが期待でき、かつ利用者の処遇に支障がでない時と限定されています(基準第121条第1項ただし書き規定)。

 

なお、栄養管理指導や療養食加算を取得する場合は、専従の栄養士を配置することが求められますので注意しましょう。

管理者

指定短期入所生活介護事業者の管理者は、専ら管理の職務に従事する、常勤管理者を配置することとされています。

ただし、以下の場合、管理上支障が無いと判断される場合においては、同一事業所内の他の職務、または同一敷地内の他事業所の職務との兼務が認められています。

なお、管理者は通所介護従業者である必要はありません。

  • 当該短期入所生活介護事業者の短期入所生活介護従業者として職務を兼務する時。
  • 同一敷地内や、道路を隔てて隣接する他事業所や施設で、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内にあって、当該他事業所等の管理者や従業者としての職務に従事する時。
    この場合、他事業所等の事業内容までは問われません。
    ただし、例えば訪問系サービス事業所のサービス提供を行う従業者と兼務する場合、管理業務に支障があるのではないかと考えられます。
    しかしそのような場合にあっても訪問系サービス事業所での勤務時間が極めて短時間であるなど限られている場合は、例外的に認められることもあります。

まとめ

今回は、短期入所生活介護の人員基準についてみてきました。

配置基準をしっかりと守った上で、職を兼務することもできる場合がありますので、上手に利用して人員基準を満たすようにしましょう。

今回の記事が参考になったという方は、シェアをお願いします。

 

 

人員基準について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

(専門家監修:矢野文弘 先生)

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