介護事業経営者の皆様。
総合事業の説明会には参加されましたでしょうか。
平成27年(2015年)の法改正以降、新しい総合事業に関する説明会が各市町村で数回にわたって開催。
この記事では、「説明会を逃してしまった」「改めてしっかり把握しておきたい」方に、全国共通のものから各市町村特有の内容まで詳しく説明していきます。
ぜひ、今後の事業展開等にお役立てください。
処遇改善加算のおさらい
処遇改善加算とは?その目的は?
処遇改善加算とは、加算の主名目は、賃金改善による介護職員の職種定着を図るために、当該施設が一定のキャリアパスという要件を満たした場合にのみ算定される加算です。
介護職員の定着だけでなく、サービスの質的向上、事業所のイメージアップを図る上でも、重要な加算です。
元々、平成23年度まで実施されていた「介護職員処遇交付金」が元になっています。
処遇改善加算については、前回の介護報酬改定(平成27年度)にて、加算の種類が4種類に分割されました。
加算Ⅰ~加算Ⅳですが、それぞれにキャリアパス要件が定められており、施設ごとの状況に応じた適切な処遇改善加算が算定されるように設定されています。
介護報酬毎に上方修正される処遇改善加算ですが、実際に現場の声を聴いてみると、費用対効果が見合っていないという声が多く聞かれています。
その要因としては、介護職の世間のイメージもあるでしょう。
介護業界には、いまだ人材が集まらないという状況が続いています。そのため、介護職員一人当たりへのマンパワーが極点化し、「報酬は増えても、それに見合っていない、むしろもっとあげてくれ」といった、いわば”いたちごっこ”の状況になっています。
これらの状況を改善してくれるような上方修正を、今後の処遇改善加算の改定には期待したいものです。
総合事業のおさらい
総合事業とは
総合事業とは、平成27年度から始まった日常支援総合事業のことを指します。
これは地域包括ケアシステムの名の下、機能し始めて間もないサービス形態です。
介護予防、生活支援サービス事業、一般予防事業などがこれに含まれています。
元々、介護保険サービスというのは、要支援者・要介護者主体のサービスでしたが、総合事業の考え方は、この枠組みを一般高齢者まで裾野を広げ、健康な体作りの増進などを目的に、一般予防事業にも力を入れています。
総合事業のみなし指定とは
みなし指定とは、当該事業所が総合事業を展開する際において、指定事業所とみなす場合を、みなし指定といいます。
みなし指定期間を作ることは、介護予防事業が、総合事業にスムーズに展開することが可能になるため、移行を検討している事業所の方は、平成30年3月末までの有効期間内に移行するようにしましょう。
詳細はこちらをお願いします。
新しい総合事業で何が変わる!? 介護事業所がすべきこととは - 介護支援ブログ
総合事業における処遇改善加算
総合事業における算定届の必要有無
算定を受けるためには、当該事業所の付属する市町村に対して、提出期限までに届出をする必要があります。
これから新しく総合事業関連の加算の適用を受けようと思った時や、加算の要件に該当しなくなった時など、基本的に事業形態が変化する場合は届出が必要です。
(届出先が都道府県である場合は、都道府県に届出を行うと同時に、当該届出の写しを市町村に提出してください)
総合事業における算定届出の提出先
提出先は先述の通り、当該事業所の付属する市町村です。
提出書類については各々のホームページに詳細が記載してあります。
さらに、市町村によっては、封筒の指定や封筒面の書き方の指定などもありますので、詳細に至っては各市町村ホームページを参考にしてください。
みなし指定事業者については、処遇改善加算に関する届出が都道府県及び政令指定都市にされており、別紙等が添付されている場合は、市町村への届出及び別紙等の添付は不要です。
総合事業における算定届出のプロセス
① 事前相談
当該施設のある市町村の行政に対して、総合事業開始にあたり、相談窓口まで相談をするか、もしくは、市町村が指定する相談にあたって必要な書類を提出します。
事前相談については、提出を求められる場合とそうでない場合がありますので、こちらについては市町村ホームページを確認してください。
② 指定申請書の提出
事前相談後、市町村が指定する指定申請書を期限内に提出する必要があります。
こちらについても、全てホームページに記載していますが、参考までにこちらの市町村のホームページを参照してみてください。
③ 指定前実地調査
市町村から、適切な事業運営が期待できるかについて、運営基準をはじめ、人員基準、設備基準などの確認作業が入ります。
④ 指定の決定
上記①~③の流れを受け、総合事業の指定を受けることが出来ます。
まとめ
今回は、総合事業における処遇改善加算を紹介させていただきました。
総合事業は平成30年度まで移行期限があり、処遇改善加算は、平成29年度にさらなる上方修正が入ります。
つまり、総合事業における介護職のニーズというのは高まっていくことが今後も予測されます。
総合事業を展開される事業者の方は、処遇改善加算についても見直してみてはいかがでしょうか。
参考になればシェアのほどお願い致します。
処遇改善加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。
総合事業について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。
(専門家監修:矢野文弘 先生)