ケアマネジメントを行う上で大切なのが、毎月行われるモニタリングです。
しかしながら、特段の事情などモニタリングを行う上での詳細についてはなかなか情報が少ないと思われます。
今回はモニタリングにおける留意点を詳細に解説していきます。
ぜひ、ご一読ください。
モニタリングのおさらい
モニタリングの概要
モニタリングは、ケアマネジャーが毎月一回利用者宅を訪問して行います。
ケアプランが適切に行われているか、また新しい課題などが生じていないかについて、実際に利用者本人や家族と話をする中で確認していきます。
様式については、事業所の介護ソフト等により異なります。
一例として、神戸市のモニタリング表を記載しておきますので、参考になさってください。
電話によるモニタリング
モニタリングは基本的に利用者宅を訪問して行いますが、やむを得ない事情により訪問ができない場合、電話でも良いとされることがあります。
災害など被害に遭ったため、利用者が自宅を離れており、自宅での面接ができないという例をみてみましょう。
自宅に住めずに避難している場合などは、避難先が自宅とみなされます。
そのため、可能であれば避難先を訪問して面接することが求められます。
しかし、利用者がサービス実施区域を超える遠方に避難している、入院しているなど、長期に自宅を離れる場合も考えられます。
避難先においてサービスを利用しないといった場合は、「特段の事情」に当てはまりますが、電話によって利用者の状況把握を行うようにしましょう。
避難先でサービスを受けることを希望し、居宅介護支援事業所を変更しない場合は、特段の事情に該当しないため、訪問することが求められます。
モニタリングにおける特段の事情
特段の事情とは
モニタリングにおける特段の事情とは、利用者側の起因で何らかの事情によって、自宅を訪問してモニタリングを行えない状況のことを言います。
例えば、利用者が急に入院することになった、家族が自宅での生活を続けられなくなった、災害等で自宅から避難しなければいけなくなったなどの状況が想定されます。
上記のようなケースでは、自宅を訪問することが困難になることが考えられます。
そのため、各自治体へ状況を説明し、指示を仰ぐようにしましょう。
特段の事情についての申請書や支援経過等書面の提出が求められますので、必ず事前に対応を確認しておきましょう。
特段の事情の効力
特段の事情に該当となった場合、自治体の指示を仰ぐことになります。
しかしながら、本来のモニタリングの趣旨は、利用者本人の心身の状況把握に加え、家族や生活環境を知ること、事業所等との情報共有にあります。
そのため、特段の事情に該当すると判断された場合であっても、可能な限り訪問して面接を行い、課題等の把握を行ったり、家族と連絡調整を図ったりすることが大切です。
さらに、このモニタリングを行った場合について、記録をしっかり残しておきましょう。
記録がない場合は、減算の対象となる場合もありますので注意しましょう。
特段の事情は継続的に認められていくものではありません。
該当月の翌月以降についても必要な場合は、書面にて各自治体へ報告することで、特段の事情に該当するか否かの判断を受けることが求められます。
特段の事情の範囲
どのような場合に該当となるのか、例を見ていきましょう。
一つ目は利用者宅を訪問することにより、本人と家族の関係が悪化すると客観的に判断される場合です。
虐待がある利用者宅への訪問によって、本人と家族の関係が悪くなることが予測される状況などでは、各自治体の関係機関とよく相談し、訪問を控えるという結論に至った場合、特段の事情に該当すると認められます。
二つ目は利用者が緊急入院となったために、利用者宅でモニタリングが行えなかった場
合です。
月の途中で利用者が入院となり、その月のうちに退院できない場合が考えられます。
その際は、利用者宅を訪問してのモニタリングが行えないことになりますので、特段の事情に該当すると認められることになります。
ただし、モニタリングには先述したような趣旨がありますので、可能な限りにおいて利用者の入院先を訪問して面接を行うことが求められます。
その場合も記録に残しておきましょう。
三つ目は災害等で利用者宅が被災したため、利用者宅を訪問することができない場合で
す。
不可抗力によるもののため、特段の事情があると認められています。
なお、特段の事情に該当する場合は、必ず利用者側の起因によるものであり、介護支援専門員側に起因する事情は含まれません。
特段の事情に該当する場合
届出は必要なのか
あらかじめ各自治体へ事情を説明し指示を仰いだ後、書面の提出が求められます。
特段の事情による申立書や支援経過、居宅サービス計画書ほか各自治体に支持された書面を提出することになります。
居宅サービス計画書への記載は必要なのか
特段の事情について、居宅サービス計画書への記載は求められていません。
支援経過やモニタリング表などにおいて、利用者宅でモニタリングが行えない理由を明確に記録しておきましょう。
保管期間
モニタリングの結果の記録は、そのサービスを提供した日から5年間保存しておくこととなっています。
減算の取り扱いはどうなるのか
特段の事情に該当すると判断された場合は、減算の対象にはなりません。
しかし、利用者宅でモニタリングが行えない理由が明確に記録されていない場合、減算の対象となりますので、必ず記録に残しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、モニタリングの留意点について見てきました。
特段の事情について詳しく解説しましたが、正しい判断、申請を行って、減算にならないようにしましょう。
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モニタリングについて、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。