介護支援ブログ

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モニタリングの目的とは?モニタリングの重要性について解説します。介護事業者は必見です。

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介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成するケアプランに沿って行われるケアマネジメント。

サービス利用者の些細な変化にも最適化された介護サービスを行うには、ケアプランを評価・改善する「モニタリング」が重要となります。

 

本記事では、モニタリングの目的に関して詳しくご説明していきます。

ぜひ一読し、ケアマネとの連携強化及び介護サービスの質向上にお役立てください。

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モニタリングのおさらい

まずはモニタリングとはどういうものであるか、簡単におさらいしたいと思います。

モニタリングの概要

モニタリングはケアマネージャーによって月1回以上行われます。

サービスの内容は適切であるか、目標の達成度、利用者自身の変化はないかなどを確認し、よりよいサービスを提供していくためには不可欠のものです。

モニタリングの流れ

ケアマネージャーがケアプランの評価・見直しを行うとはいっても、当然本人がサービス提供時間中に利用者の介護をしたり、観察したりしているわけではありません。

心身の状態や細かな変化に気が付くことが多いのは、実際の介護をしているスタッフです。施設職員が利用者の日々の記録をつけることにより、サービス提供による変化、あるいは利用者自身の生活環境や疾病に伴う変化などがどのように起きているか気づきやすくなります。

それゆえ、施設職員による日々の記録と言うのはとても大切なのです。 

次に、サービス提供事業者は、ケアマネージャーにサービス利用状況や進捗状況を定期的に、気になる点があれば随時報告します。

介護事業所でも、サービス利用開始時に目標設定をしています。

この目標の設定期間が終わった時にモニタリングを行い、モニタリング報告書を作成します。

ケアマネージャーには、作成したモニタリング報告書とともに、サービスの利用実績も提出します。

モニタリングの目的

つぎに、モニタリングの目的について詳しく説明します。

1. ケアマネジメントにおける位置づけ

通所介護を例に挙げてみます。

利用者が「自宅で、一人で入浴するのには少し不安があるので、デイサービスの入浴を利用してみたい」と相談したため、デイサービス利用開始時に入浴もケアプランに組み入れました。

初めの数回は入浴したものの、途中から拒否するようになりました。

入浴しなかった場合は、事業所としては、もちろん入浴介助加算を取ることはできませんが、利用者にとっても、現在の要望とはそぐわない内容となります。

モニタリングの狙いの一つは、ケアプランに設定したサービスが適切に提供されているかチェックすることです。

モニタリングは定期的に何度も行われるので、面談を通して介護職員の記録した内容やサービスの状況について報告されると、利用者やご家族は自分たちのケースを気にかけてくれていると信頼を持ち、ニーズを伝えやすくなります。

2. 援助目標が達成されているか

短期目標や長期目標が、達成されているかなど進捗状況を確認するためにもモニタリングが必要です。

介護保険のそもそもの理念は、要介護度が重くなるのを防ぎ、できるだけ自立して生活していけるようサポートすることにあり、それを念頭に、ニーズに合わせて介護計画が作成され目標が設定されます。

目標が達成されていると評価されれば、次なる新しい目標を決めます。

目標が1つずつクリアされ新しい目標を設定されていくのは、利用者やサービス提供事業者にとっても励みになり、嬉しいものです。 

目標はまだ達成してはいないが、少しずつでも達成に近づきつつあると判断されれば、達成まで同じ目標を継続することもできます。

その際には、「継続」と評価した理由について、どの点において効果があったのか、目標達成まで6割の地点にいるなど、具体的な内容を記録し、利用者や介護職員にフィードバックするとよいでしょう。

逆にほとんど進捗がないとすれば、設定された目標が高すぎた、あるいは現実的でなかった可能性もあります。

このような場合には内容や目標を改善しなければなりません。

その際には、記録に基づいて過程をさかのぼり、どこまでは効果があったのか、より効果を上げるためには、どのような内容にすべきだったのかを検討します。

3. 利用者のニーズは充たされているか、変更はないか

高齢者の心身の状態は急に変わることが多々あり、ニーズが変化することもあるので、都度対応が必要です。

また利用者の状態のみならず、例えば介護をサポートするご家族が病気になった、引っ越しをしたといった環境の変化によっても、ニーズが変わってきます。

これらを汲み上げ、その時点に適した介護計画となっているかも評価します。

場合によっては、迅速に対応しなければ、危機的な状況を生み出すことにつながるからです。

先述の例で述べるならば、利用者の要望が「通所介護での入浴」から「入浴はしたいが、施設では入りたくない」に変わったと言えます。

モニタリングを行い、自宅の浴室内に手すりを設置する、あるいは安全に自宅で入浴するための機能訓練についての説明を行い、同意を得て通所介護利用時に入浴設備を使った機能訓練を実施するといった、別の観点からニーズに対応していくことになります。

本人のニーズや要望に沿ったサービスが提供されれば、利用者やご家族のサービスに対する満足度も高くなるでしょう。

まとめ

ケアマネージャーがモニタリングを行う上で、介護サービス提供事業者との連携、また、日々の介護スタッフによる記録がいかに重要かご理解いただけたのではないでしょうか。現場の介護職員にもモニタリングの重要性、そのための記録の大切さを浸透させ、ケアマネージャーなど対外的な連携を深めていきましょう。

 

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