介護支援ブログ

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個別機能訓練加算ⅱの計画書とは?知らなければならない算定方法を解説します。

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昨今、高齢化社会に拍車がかかり、リハビリをしたくてもできない方が多くいらっしゃいます。そんな方のためのリハビリの場として、地域の介護事業所の個別機能訓練が存在します。

個別訓練に際して、個別機能訓練加算を事業所として取得する必要がありますが、今回はその算定に必須である計画所について紹介します。加算を取得予定の方や開業予定のかた、見直したい方はぜひご覧ください。

 

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個別機能訓練加算ⅱの計画書とは

個別機能訓練加算とは

通所介護施設において、所定の要件を満たして、利用者の状況に応じた個別機能訓練を行った場合、算定される加算のことを、個別機能訓練加算といいます。

個別機能訓練加算には、「個別機能訓練加算ⅰ」と、「個別機能訓練加算ⅱ」があります。個別機能訓練加算ⅰを算定する場合、機能訓練指導員は、全体を見渡しながら、機能訓練や日常生活に関してリハビリテーション的視点で助言するような立場であることに対して、個別機能訓練ⅱを算定する場合、機能訓練指導員は、5人程度以下の利用者に実践的な環境で、直接訓練を実施しなければならないので、訓練の専門家として、訓練時間内に、密度の濃い訓練を利用者1人ひとりに確実に提供する必要があります。ⅱのほうが、よりリハビリの専門性が強いという解釈でよいでしょう。

 

個別機能訓練計画書とは

個別機能訓練を行うにあたり、必要となってくるのは「個別機能訓練計画書」と呼ばれるものです。この計画書は、利用者の居宅を訪問し、利用者のニーズや生活状況を確認し、心身機能、日常生活、社会参加、家庭内での役割といったICF評価を行います。

ICFに基づいた評価を行い、厚生労働省より提示されている「個別機能訓練計画書」の様式を参考に計画書を作成します。この計画書はいわば、利用者のリハビリテーションを行う上で、「なぜその機能訓練をするのか」「それは効果があるのか」「利用者が満足するのか」などをきちんと評価し、適切なパフォーマンスが専門職種によって行われていることを証明するためのものといえるでしょう。

 

個別機能訓練計画書と、通所介護計画書の違い

通所介護計画書とは、個別機能訓練計画書と似ており、本人、家族から聴取した生活状況や、ケア希望などから、課題を抽出し、本人が望む生活にむけて目標を定めるために計画を立てたものを言います。

個別機能訓練計画書に相当する内容を通所介護計画書の中に記載することが可能ですので、同一の書類として処理しているケアマネージャーも多くいらっしゃいます。

しかし、これはあまりおすすめできません。なぜなら、通所介護計画書は、介護等級が変更になったり、本人の希望が改めて出たりしたタイミング、つまり、ケアプランの変更時に作り直せばよいのですが、個別機能訓練計画書は、3か月ごとに1回以上見直しを行う必要があるため、同一のものだと必ず更新時期がずれてきます。

そうなると、同じ用紙で2つの計画書を処理しなければならず、更新する側、それを説明される側、両者とも混乱を招いてしまいます。ただでさえ、ケアマネージャーは書類業務が多いので、できるだけ個別機能訓練計画書と、通所介護計画書はわけて処理するようにしましょう。

 

個別機能訓練加算ⅱの計画書の内容

個別機能訓練計画書には、

 

  1. 基本情報
  2. 個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱ
  3. 特記事項、プログラム実施後の変化・署名

 

と、大きくわけて3つに分けられています。

以下、それぞれについて、記述内容を紹介していきます

 

基本情報

項目

内容とポイント

計画作成者

計画作成で中心になった職員。多くの場合、理学療法士、作業療法士が記述することが多いです。実際のリハビリテーションを行う人のほうが、より細かな計画を立てることができます。

介護認定

要介護1,2,3~などの等級を記載します。等級がまだ判断されていない場合は、「申請中」「暫定」と表記します。

本人の希望

多くの場合、身体機能の維持・向上です。中には人と会話をしたい、認知症になりたくないなど、身体面以外にも、精神面のフォローを依頼されることがあります。

家族の希望

介護負担の軽減が主です。自分のことは最低限自分でできるようになりたいと思うご家族が多いので、ここはきちんと聴取しましょう。

運動時のリスク

脳卒中の場合は血圧や、転倒のリスクなどを考慮しましょう。骨折の場合は痛み、再受傷などが挙げられます。

生活環境

一人で暮らしている、犬が多い、転倒が多いなど、介助が必要になってしまっている生活環境について記載しましょう。

在宅環境

段差が多い、浴槽が高い、階段が急など、一人で生活するのに支障が出ると考えられる在宅環境について記載しましょう。

障害老人の日常生活自立度

高齢者が日常生活をする際の自立度をランク付けしたものがこの指標です。要介護認定や主治医意見書をつくる際に使われます。別名、寝たきり度とも呼ばれています。

詳しくは、こちらのP.155を参照してください。

平成28年度第2回日進市地域包括ケア検討会議 資料2

認知症老人の日常生活自立度

認知症となった高齢者の介護の必要度合い、また職員への負担をランク付けしたものがこの指標です。こちらも要介護認定や主治医意見書をつくる際に使われます。

詳しくは、こちらのP.157を参照してください。

平成28年度第2回日進市地域包括ケア検討会議 資料2 

個別機能訓練加算Ⅱ欄

長期目標、短期目標

長期目標、短期目標は、その利用者の方が利用すると考えられる期間を考慮し、長期、短期の期間を決めるため、一般的にどれくらいの期間が「長期」「短期」になるかは定められていません。

しかし、書類上、長期目標は6か月程度で達成可能と思われるものが好ましいとされています。特に不備がない場合は初回作成日より6か月後の年月を記載することが無難と思われます。短期目標は3か月程度で達成可能と思われるものが好ましいので、初回作成日より3か月後の年月を記載しましょう。

プログラム内容

目標を達成するための動作訓練内容を具体的に記載しましょう。

例)

  • ベットサイドでの上肢下肢可動域訓練
  • 玄関の上がり框を利用した立ち上がり練習、着座練習
  • 庭先、玄関前道路を利用した歩行練習 など

できるだけ場所や道具など、具体的に記載するのが望ましいです。

留意点

プログラム用を実施するにあたって留意すべきことを記載します。例えば、可動域訓練を実施するにあたり、利用者の方が痺れ、痛みの訴えがある方であれば、留意点の書き方として下記のような記述が望ましいです。

(例)右肩の可動域訓練時、屈曲120度程度で痛みの訴えがあるため、疼痛自制内での可動域訓練に終始する。また、疼痛が出た場合は必ずその程度や部位について確認を行う。

頻度

少なくとも週1回以上行いましょう。

 

特記事項欄

特記事項

各利用者の特別な事柄について記載しましょう。

(例)

  • 些細なことで激昂されるため、否定しないような関わり方を行う。
  • パーキンソン病が持病のため、服薬後、震戦症状が出ていない時間帯に介入を行う
  • 頻尿であるため、リハビリテーション前後でのトイレ誘導を行う
  • 家の前は坂道であるため、歩行訓練時には最大の注意を行う。

プログラム実施後の変化

再評価日は3か月以内に設定しましょう。コメント部分として初回は空欄、2回目以降は長期・短期に対する評価、機能訓練実施援護の変化も記載しましょう。

 

個別機能訓練加算ⅱの計画書を提出するには

個別機能訓練計画書を提出するためには、先述のように、まずは「個別機能訓練評価書」を記載することから始まります。こちらについては、上記内容を参考にしながら実際に記載をしましょう。提出先は、利用者担当のケアマネージャーになります。

ケアマネージャーが計画書の提出を求めてくることがほとんどですが、機能訓練員は、提出をしなければならないという義務感を持っていればケアマネージャーとの齟齬もなくなるでしょう。ケアマネージャーは書類業務が多いため、他職員と助け合うことが安定的に個別機能訓練加算を算定するためには重要となります。

提出期限については先述の通り、初回評価日から3か月以内になりますので、注意してください。

 

まとめ

個別機能訓練を行うためには、まずは機能訓練員の充実化が必要不可欠です。加算を算定しているから充実した個別機能訓練が提供できているという訳ではありません。昨今、理学療法士、作業療法士の養成校も増えており、有資格者も増加しています。

その反面、地域へのリハビリテーション介入が後手に回っています。このような事態を早急に解決するためにも、まずは各介護事業所の個別機能訓練の考え方を改める必要があります。

できるだけ多くのリハビリテーションを行いたいと考えている利用者の方のためにも、今一度、個別機能訓練について考えてみませんか?

参考になりましたらシェアをよろしくお願いします。

 

個別機能訓練加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

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