介護保険施設等の実地指導について、こんなことを考えている人はいないでしょうか?
実地指導までの準備はできたから、あとは当日を待つだけだ。
うちの事業所が不正を犯しているわけがない。
実地指導では、1つも指導項目・改善項目がない事業所は少ないといわれています。
普段、なにげなく行っていることに問題があり、それを指摘されてしまう、というケースが多いからでしょう。
しかし、指導を受けることは決して悪いことではありません。結果的により良い事業所へと近づくことになりますし、適切に改善、それを報告すれば大事になることもありません。
一方、適切に処理することができないと次第に話は大事になってしまい、最悪の場合、指定取消の処分を下されることもあります。
今回は、実地指導後に提出する改善報告書について解説したいと思います。
この報告書が受理されて、はじめて実地指導は終了となります。基礎知識として、ひとくくりに覚えてしまいましょう!
改善報告書提出までの流れ
まず、改善報告書提出の流れを確認しましょう。
実地指導終了後、数週間ほどで実地指導結果報告書が郵送されます。この報告書には、指導項目・改善項目が記載おり、それぞれの項目に対して1ヶ月以内に改善を施した後、改善報告書を提出します。提出先は定められている各都道府県や市町村になります。提出が完了し、指導監督者よりその改善内容が認められた場合、実地指導は無事終了です。
加えて、改善報告書について注意点を解説します。
1点目、実地指導にて介護報酬の過誤調整に関する指導を受けた場合、改善報告書とは別に過誤申請の手続きをする必要があります。まず、利用者負担額の超過分を返還し、その領収書を発行します。そして、「過誤申立額、返還額一覧表」「区別返還単位数内訳表」を作成、提出期限に制約がない場合は改善報告書と共に提出します。自主点検により、過誤調整をする必要が発覚した場合も上記書類を提出しましょう。
2点目、指導項目・改善項目に関して、前回の実地指導と同じ指摘を受ける場合、監査や行政処分の対象とされてしまう場合があります。これは、行政側が、以前提出した改善報告書に虚偽がある、と認識をするために起こります。2度目以降、実地指導を受ける場合は前回の復習を怠らないように注意しましょう。また、実地指導を受けた場合、使われた書類は保存するように心がけ、今後の運営や次回の実地指導に役立てるようにしましょう。
[参考:千葉市 実地指導に伴う書類提出の流れ]
提出書類・記載例
次に、提出書類とその記載例について紹介します。今回は、千葉市の例を参考に作製をしました。介護制度は、各都道府県・市町村ごとにローカルルールが存在します。事業所に該当する地域のWEBページを参考に、適切な申請方法を身に着けるようにしましょう。
改善報告書の提出書類
書類名 | 印刷する紙の大きさ | ダウンロード | |
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実地指導による改善報告書 |
A4縦 |
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過誤申立額・返還額一覧表 |
A4縦 |
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区別返還単位数内訳書 |
A4横 |
保険者への過誤申立に関する書類
保険者への過誤申立は、その保険者が自らの事業所の指定を受けた地域(指定権者)の被保険者であるかどうかによって、手続きが異なる場合があります。
他都道府県・市町村の被保険者にかかる申立ての場合は、それぞれの地域のルールに沿った手続きをしましょう。
書類名 | 印刷する紙の大きさ | ダウンロード | |
---|---|---|---|
過誤申立依頼書 |
A4横 |
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申立事由コード表 |
A4横 |
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過誤申立終了報告書 |
A4縦 |
まとめ
改善報告書は、実地指導当日の提出書類と同様に非常に重要な書類です。冒頭でも記載しましたが、改善を怠ってしまうと事業所にとって深刻な事態に陥りかねません。
実地指導の準備、当日の流れ、終了後の手続きについて、ひとまとめに理解するように心がけましょう。
実地指導について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。