キャリアパス要件の詳しい解説は「キャリアパス要件とは」をご覧ください。
キャリアパス要件1
キャリアパス要件1は厚生労働省によって以下のように定められています。
①介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること
②1.に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた賃金体系について定めていること
③1.および2.の内容について就業規則などのもので書面で明確にし、周知していること
[参考:厚生労働省 介護人材の処遇改善の充実に向けて]
では、1つずつ見ていきましょう。
任用等要件
まず、①任用等要件に書かれている単語をざっくり解説していきます。
・職位
職位とは、職業や個人ごとに決まっている地位や分担を意味します。
これを介護職に置き換えると、訪問介護員や入所介護員等のサービスごとの分担、その介護員を統括するリーダー、または施設長が考えられます。また、サービス種別介護員の中でも等級が定められる場合もあるでしょう。
[参考:職種間のバランスをとる組織図]
・職責
職責とは、職務上の責任を意味します。
職責は職位ごとに定められることが多いです。たとえば、部下の責任は上司が取る、という言葉をよく耳にしますが、これは、上司は部下を統率しなければならない、ということが会社ごとに定められているためです。
これだけだと、職位が上がるにつれて責任の重みが増していくだけ、と感じるかもしれませんが、責任と共に権限を委ねられることが一般的です。介護職であれば、部下の配置を決定したり、施設全体の会議へ出席することができたりと、いわゆる職場における裁量が増えることとなります。
介護職では上記に加え、専門性の有無が重要となります。同じ役職だとしても個々人が持つ専門性により、業務の幅が大きく変化することが介護職の特徴といえます。当然、この専門性を評価する必要があり、ここを疎かにしてしまうと、もっと自分を評価してくれる職場へと流れてしまいます。
・任用等要件まとめ
①の任用等要件をまとめると、職員それぞれに定められた役職や専門性を正当に評価するやめの制度が整備されていること、といえます。
賃金体系要件
・賃金体系
賃金体系とは、職員に支払われる賃金がどのような組合せで構築されているかを示したものです。一般には基本給と賞与(ボーナス)といった多様な諸手当で構成されています。
よって、賃金体系の要件をまとめると、①の任用等要件にしたがって職員に適当な賃金を支払うための制度が整備されていること、といえます。
周知方法
・就業規則
就業規則については、「キャリアパス要件の就業規則とは」にて詳しく解説しています。
・周知すること
周知とは、広く人に知れ渡ることを意味しますが、介護職員に対してどのように知らせればいいのでしょうか。
周知方法としては、処遇改善計画書を作成し、職員に通知、掲示することが一般的です。また、就業規則を定める際は、職員と話し合いの上で決定することが推奨されているため、同じタイミングでキャリアパス要件Ⅰについても話し合い、周知することが効率的と考えられます。
キャリアパス要件1の具体例
以上がキャリアパス要件Ⅰの解釈となりますが、具体的に構築するとなると話は別ではないでしょうか。
キャリアパス制度全般に言えることですが、キャリアパスはそれぞれの事業所にマッチしたものを構築しなければ意味がありません。
そこで、キャリアパス制度の構築に成功した事業所を「キャリアパス制度の具体例と行政が求める理由」にて紹介しています。
キャリアパス要件1の記載例
最後の難関、キャリアパス要件の書き方についてです。
全職員に周知するため、行政に提出するためには、構築したキャリアパス制度についてしっかりと文書化することが必要となります。
わかりやすく文字化することが、職員のモチベーションをあげるため、行政に理解してもらうために重要です。
有限会社 ラ・ポールおとくにケアサービス
訪問介護・小規模多機能 他
職員数40名
悠悠シルバーケア福祉会(悠悠有限会社)
グループホーム・有料老人ホーム 他
職員数120名
上記の事業所では、非常にわかりやすくキャリアパス制度をまとめています。
このような状態から提出資料に落とし込むと書きやすいのではないかと思います。
キャリアパス要件について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。