今回は介護プロフェッショナルキャリア段位制度についての疑問をまとめました。
概要説明については下の記事をご覧ください。
「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」についてのQ&A
これまで「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の成り立ちや目的、内容・活用のされ方、また国としての現状把握や課題について取り上げました。最後に、介護事業所・施設や実際に現場で介護にあたる職員からの疑問と、それについての回答を取り上げてみましょう。
- 「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」についてのQ&A
- Q1:事業所として介護キャリア段位制度における内部評価に取り組む際、最初にするべきことは何でしょうか?
- Q2:内部評価は、介護事業所・施設内の介護職員個人の希望で実施するものなのでしょうか? あるいは介護事業所・施設内の介護職員すべてが 実施しなければならないのでしょうか?
- Q3:介護事業所・施設ではなく医療機関や障害者施設でも内部評価を行うことは可能ですか?
- Q4:内部評価を実施する際に手数料はかかりますか?
- Q5:評価者(アセッサー)として内部評価を始める場合、まず取り組まなければならないのはどんな事ですか?
- Q6:評価者(アセッサー)はアセッサー講習を修了したら、レベル4に認定されるので しょうか?
- Q7:評価者(アセッサー)自身がレベル認定を取得していなくても、アセッサーとして内部評価を行うなど活動は可能ですか?
- Q8:「基本的には介護事業所内の評価者(アセッサー)が評価する」となっていますが、法人は同じだが事業所は異なる評価者(アセッサー)が介護職員を評 価することはできますか?
- Q9:評価者(アセッサー)が被評価者に対してチェック項目を伝えても良いですか?
- Q10:評価者(アセッサー)自身がレベル認定のため被評価者となる際、別のアセッサーが評価するのでしょうか?
- Q11:評価者(アセッサー)として評価期間中に、例えば妊娠出産による休業や退職といった理由で、評価が継続できない場合の手続きは?
- Q12:「キャリア段位制度」は実践的スキルの評価とうたわれていますが、介護福祉士など資格を持っている人の立場に変化はありますか?また、レベル認定によって、他の資格は意味をなさなくなるのですか?
Q1:事業所として介護キャリア段位制度における内部評価に取り組む際、最初にするべきことは何でしょうか?
A:事業所内に、評価者(アセッサー)講習を受講しそれを修了した介護技術評価とOJT(実務の中でのスキルアップ支援)を行う「評価者(アセッサー)」を配置する必要があります。
Q2:内部評価は、介護事業所・施設内の介護職員個人の希望で実施するものなのでしょうか? あるいは介護事業所・施設内の介護職員すべてが 実施しなければならないのでしょうか?
A:介護事業所・施設の方針によって実施する場合と、介護事業所・施設内で働く介護職員それぞれの希望に応じて実施する場合があり、介護職員全員が 評価を受けなければならないわけではありません。
Q3:介護事業所・施設ではなく医療機関や障害者施設でも内部評価を行うことは可能ですか?
A:介護キャリア段位制度における評価項目について評価が実施できるのであれば、内部評価に取り組むことが可能です。なお、基本介護技術の評価は、原則として要介護4以上の利用者を対象として評価を行っていますが、介護キャリア段位制度における評価項目の介護を必要とする利用者であれば、要介護3以下や障がいのある利用者を対象として評価を行うことが可能です。
Q4:内部評価を実施する際に手数料はかかりますか?
A:内部評価を行うこと自体には手数料は発生しません。 しかし、内部評価終了後、評価を受けた介護職員が事業実施主体(現在は「一般社団法人 シルバーサービス振興会」)に設置されたレベル認定委員会に認定を申請する際に、手数料(7,100円) が必要になります。なお、当面の間、東日本大震災の被災地では、他の地域の半額程度(3,500 円)となっています。
Q5:評価者(アセッサー)として内部評価を始める場合、まず取り組まなければならないのはどんな事ですか?
A:評価者(アセッサー)として活動を始めるには、事業所・施設の管理者と取り組み方針について意見や案の調整を行ったうえで、職員に対して説明することが大切です。
Q6:評価者(アセッサー)はアセッサー講習を修了したら、レベル4に認定されるので しょうか?
A:評価者(アセッサー)講習を修了してもレベル4に認定されません。 評価者(アセッサー)になった人でも、レベル認定を希望する場合は別の評価者(アセッサー)の評価を受けたうえで認定申請することが必要です。
Q7:評価者(アセッサー)自身がレベル認定を取得していなくても、アセッサーとして内部評価を行うなど活動は可能ですか?
A:今現在、レベル認定未取得の評価者(アセッサー)に関しての条件はないため、アセッサーとして活動することはできます。しかしながら、評価者(アセッサー)は事業所・施設内のOJT(実務の中でのスキルアップ支援)を行うことが期待されるため、できるだけ早目にレベル認定の取得を行って下さい。
Q8:「基本的には介護事業所内の評価者(アセッサー)が評価する」となっていますが、法人は同じだが事業所は異なる評価者(アセッサー)が介護職員を評 価することはできますか?
A:1)日常的に被評価者の業務内容を確認できる、2)OJTを行うことができる、という条件が整っているのであれば、同一法人の別事業所の評価者(アセッサー)による内部評価は可能 です。
Q9:評価者(アセッサー)が被評価者に対してチェック項目を伝えても良いですか?
A:被評価者にチェック項目を伝えて良いです。内部評価やOJTを受ける上で、評価項目を理解することは重要なことなので、チェック項目を伝えることを勧めています。
Q10:評価者(アセッサー)自身がレベル認定のため被評価者となる際、別のアセッサーが評価するのでしょうか?
A:Q6でも触れましたが、評価者(アセッサー)がレベル認定取得を目指す場合は、別のアセッサーの評価を受 けることが必要です。
Q11:評価者(アセッサー)として評価期間中に、例えば妊娠出産による休業や退職といった理由で、評価が継続できない場合の手続きは?
A:同じ事業所内の別の評価者(アセッサー)に評価を引継いでもらったうえ、『レベル認定申請システム』から評価者(アセッサー)変更届を提出することが必要です。 同じ事業所内に別の評価者(アセッサー)がいない場合は、被評価者に相談したうえで、その時点での評価結果としてユニット単位(小項目単位)での認定申請が可能か調べる必要があります。
Q12:「キャリア段位制度」は実践的スキルの評価とうたわれていますが、介護福祉士など資格を持っている人の立場に変化はありますか?また、レベル認定によって、他の資格は意味をなさなくなるのですか?
A:「キャリア段位制度」は、「知識(わかる)」と「実践的スキル(できる)」の両面を評価することで成り立っています。このうち、「知識(わかる)」分野の評価については、介護福祉士や初任者研修・ホームヘルパー研修などの資格・研修制度修了で評価されます。ですから、「キャリア段位制度」は主に実践的スキルの証明といった意味合いを持ち、すでに有する資格や修了済みの研修制度をより完成されたものに近づける制度といえます。他の資格に意味がなくなるというものではありません。
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