介護支援ブログ

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通所介護における、サービス提供体制強化加算とはどのようなものか?

 通所介護事業者の皆様の間でも話題にあがる、サービス提供体制強化加算。

 経営者様や管理者様向けの内容となっていますので、算定要件や単位数など確認し、今後の経営にお役立てていただけたらと思います。

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通所介護におけるサービス提供体制強化加算とは?

 通所介護におけるサービス提供体制強化加算は、サービスの質を安定的に保っている事業所を評価するための加算です。

 加算の算定要件としては、介護福祉士資格を保有している職員や、勤続年数が3年以上の者を一定以上にわたり雇用していることなどがあります。

 

 サービス提供体制強化加算がうまれた背景としては、事業所の介護の質を高めるといった視点に加えて、介護職員を安定的に確保することが難しくなっているということがあります。

 一般的に介護職員は、看護師等、他職種と比較して賃金水準が低い事や、介護分野という専門性はあるものの、なかなかそれが評価されにくいなどの理由により、離職率が高いという状況があります。

 求職者においても、介護職員を目指したいという者も減少傾向にあるなど、将来にわたって慢性的に人出が不足することが懸念されています。

 

 こういった状況を乗り越えるため、介護職員に対する処遇を見直し、人材を安定的に確保していけることがサービス提供体制強化加算の目的の一つです。

 介護職員が働きやすい環境を整え、離職率を少しでも減らし、新たに求職する者の割合を増やしていくことで、将来の人手不足を解消していこうという役割があります。

 

通所介護におけるサービス提供体制強化加算の単位数は?

 ここではサービス提供体制強化加算の単位数について解説します。

 通所介護の場合と総合事業の単位数について、それぞれ以下のようになっています。

 

  1. 通所介護(保険給付)の場合

 (Ⅰ)イ 18単位/回

 (Ⅰ)ロ 12単位/回

 (Ⅱ)6単位/回

 

  1.  総合事業の場合

 (Ⅰ)イ 要支援1 72単位/人・月

      要支援2 144単位/人・月

 (Ⅰ)ロ 要支援1 48単位/人・月

      要支援2 96単位/人・月

 (Ⅱ)  要支援1 24単位/人・月

      要支援2 48単位/人・月

 

 通所介護(保険給付)の場合は、一日当たりの単位数となっていますが、総合事業の場合は、一月あたりの単位数となっていますので、間違えないようにしましょう。

 

 

通所介護におけるサービス提供体制強化加算の算定要件は?

 ここではサービス提供体制強化加算の算定要件について解説します。

 算定要件を満たすためには、人員基準を満たすことと、定員超過のないことという前提条件が必須となります。

 

 (Ⅰ)イについて、介護福祉士が50%以上配置されていること。

 (Ⅰ)ロについて、介護福祉士が40%以上配置されていること。

 (Ⅱ)について、勤続年数が3年以上ある者が、30%以上配置されていること。

 

 上記のうち勤続年数とは、各月の前月末日時点において算出されます。

 例を挙げると、平成29年5月時点で勤続年数が3年以上ある者とは、前月の4月30日で勤続年数が3年を経過していなければいけません。

 

 

通所介護におけるサービス提供体制強化加算の人員割合計算方法は?

 ここでは人員割合の計算方法を解説します。

 算定要件が複雑であり、例年計算間違い等みられるため、計算方法はしっかり確認しておきましょう。

 平成28年度に加算を算定する場合、前年度11カ月間(平成27年4月~平成28年2月)の平均が、所定の割合以上である場合、平成28年度通して算定することができます。

 

 事務手続きとしては、以下の通りです。

 

  • 2月における勤務実績が確定した後、4月からの算定が可能か否かを毎年確認することが必須です。毎月の勤務実績確定後に、各月の常勤換算した後の人数と、対象となる従業者の常勤換算した後の人数を算出して記録しておきます。

 

  •  人員割合の算出については、介護職員の常勤換算数を11カ月合計した平均(A)を、Aのうち介護福祉士である者の常勤換算数を11カ月合計した平均で割ります。届出る際に必要な書式があります。各自治体のホームページ等からダウンロードしておきましょう。

 

  •  要件を満たしていない時は、取下げのための届出が必要になります。年度の途中で算定を開始したり、算定区分を変えたりした事業所は、要件を満たしていない恐れがあるため注意しましょう。

 

 ここでいう常勤とは、事業所において定めている常勤の従事者が、勤務すべき時間数に達していることを指します。

 パートタイムであっても、理論上は常勤としてみなされる場合もあります。

 また、対象となる従業者が、管理者など他職務との兼務を行っている場合は、対象の従業者として勤務している時間のみ算出することとなります。

 管理者として勤務した時間については、含まれないため注意が必要です。

 

 

届け出の方法と期限

 サービス提供体制強化加算を取得しようとする場合、提出が必要となる様式があります。

  1.  介護給付費の算定に係る体制等に関する届出書(体制届)
  2. 介護給付費の算定に係る体制等状況一覧表
  3. サービス提供体制強化加算に関する届出書
  4. サービス提供体制強化加算算定に係る職員割合算出シート
  5. 各サービス及び加算の区分に応じて必要な添付書類(書式は任意)

 

 新たに加算を算定する場合において、運営実績が6カ月以上の事業所も、6カ月に満たない事業所も、算定用件を満たしている時は、上記全ての様式を提出します。

 

 継続して算定する場合で、運営実績が6カ月に満たない事業所が、職員割合の算定用件を満たさない時、1~3の様式を提出します。

 算定用件を満たしている場合は、継続しての算定が可能ですので、提出は不要です。

 但し、算定区分が変更となる場合は必要です。

 運営実績が6カ月以上の事業所についても、同様の扱いとなります。

 

 届け出先は各自治体の介護保険課等になります。

 また提出期限は、各自治体によって異なりますが、概ね算定の開始を希望する月の前の月の15日までとなっています。

 加算の取り下げや、算定の区分を変更する場合も同様です。

 年度途中より算定する時は、算定開始日の前月15日までとなります。

 

 

注意事項

 サービス提供体制強化加算について、間違いやすいポイントを解説しますので、参考になさってください。

 

  • サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イと、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)ロ、この二つの要件を共に満たしている場合、同時に取得することはできません。この場合においては、上位となる(Ⅰ)イの加算を取得するということになります。実地指導などにおいて、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イの算定要件を満たさないとなった時は、一度(Ⅰ)イで取得した加算の返還を行う必要があります。その上で、(Ⅰ)ロの要件を満たしている時は、その加算を取得するため、新たに届出を行わなくてはなりません。

 

  • 人員割合の計算方法についてですが、前年度の実績が6ヶ月を経過していない事業所については、届出日を含んだ前3ヵ月に関して、常勤換算方法を用いて算出して平均を出します。新しく事業を始めたり、事業を再開したりした事業者に関しては、事業を開始してから4カ月目を経過した以降に届け出ることが可能です。届出後に関しても、直近3ヵ月の人員割合は毎月所定割合を維持していく必要があり、記録に残さなければなりません。所定割合を下回った時は、届出を提出しましょう。

 

 

まとめ

 今回は通所介護のサービス提供体制強化加算について解説しました。

 細かい規定がありますが、正しく理解することで、円滑に加算を受けられるようにしたいものです。

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サービス提供体制強化加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

(専門家監修:矢野文弘 先生)

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