介護支援ブログ

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有料老人ホームの人員基準とは?

幅広いサービス提供を行う有料老人ホーム。

1963年に制定された老人福祉法により設置され歴史も長く、参入されている事業者の方々も多いかと思います。

今回の記事では、有料老人ホームの指定基準の一つである、人員基準について詳しく解説していきます。

有料老人ホームの種類により違いますので、ご一読の上、経営等にご活用下さい。

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有料老人ホームとは?

まずは有料老人ホームをおさらいしたいと思います。

1.概要

上記でも触れたように、有料老人ホームは老人福祉法により定められたサービスです。

有料老人ホームの定義は老人福祉法第29条において、

老人を入居させ、入浴排泄もしくは食事の介護食事の提供またはその他の日常生活上必要な便宜の供与をする事業を行う施設であって、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居等でないものをいう”

と定められています。

 

すなわち、公的な老人福祉施設(特別養護老人ホーム、経費老人ホーム、通所介護事業所、短期入所介護等)やグループホームなどではなく、介護度に関係なくすべての高齢者を対象とした、食事のお世話等を行う施設ということです。

2.設置者

有料老人ホームの設置者になりうるのは民間事業者であり、各都道府県に届け出ることで設置することが出来ます。

3.種類

有料老人ホームは大きく分けて3種類あります。

① 健康型有料老人ホーム

食事等のサービスがついた、高齢者用の居住施設です。

介護が必要になった場合には退去することが前提になっている施設です。

② 住宅型有料老人ホーム

食事等のサービスがついた、高齢者用の居住施設です。

施設自体には介護サービスはついていません。

しかし、介護が必要になった場合には、訪問介護等の外部サービスを利用することが可能です。

③ 介護付有料老人ホーム

介護や食事等のサービスがついた、高齢者用の居住施設です。

介護保険制度によるサービス(特定施設入居者生活介護)を利用することが出来、施設自らが介護福祉サービス事業者の指定を受けて提供することになります。

介護が必要になった場合には、施設自らが提供する介護サービスを利用することが可能です。

 

最近は、介護付有料老人ホームでも、住宅型のように介護を外部に委託するスタイルのものも出てきています。

(※記事内では、特定施設入居者生活介護サービスが受けられるものを、介護付有料老人ホームとして説明させていただきます。)

 

有料老人ホームの種類等、ご理解いただけましたでしょうか?

それでは、上記3種類の有料老人ホームにおける人員基準について説明していきます。

有料老人ホームの人員基準について

有料老人ホームの人員基準は、種類によってそれぞれ異なります。

1.健康型・住宅型老人ホーム

これらには、人員基準はありません

比較的健康な高齢者が対象であること、介護サービスが住居施設自体にはついていないこと、介護職員等の基準が不要なためだと考えられます。

また食事等のサービスも、施設ごとに提供するサービスが異なるため、各施設でサービス提供に必要な人員を配置する場合が多いです。

2.介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームは、居住施設で介護保険制度における特定施設入居者生活介護サービスを受けることが出来ます。

そのため施設は、介護保険法で定められた人員基準を満たす必要があります。

 

介護保険法で定められた、特定施設入居者生活介護の人員基準

職種 基準を満たすための条件
① 管理者
  • 常勤で、専らその業務に従事するもの1人。
② 生活相談員
  • 総利用者数が100または、その端数を増すごとに1人以上。
  • 1人は常勤であること。
  • 介護職員の数には含まれない。
③ 看護職員・介護職員
  • 看護職員は、利用者30人未満であれば1人以上。30人以上は30人を超えて50またはその端数を増すごとに1人以上配置が必要。(例:30~80名:看護職員2名以上)
  • 看護職員のうち1人は常勤であること
  • 介護職員は常に1人以上おり、そのうち1人は常勤であること。

<看護職員と介護職員の合計数の基準>
利用者:看護職員および介護職員=3:1以上(常勤換算)
④ 機能訓練指導員
  • 日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有するもの。
    (資格要件:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師)
  • 1人以上配置する事。
⑤ 計画作成担当者
  • 介護支援専門員であること。
  • 専従であること。
  • 総利用者100またはその端数を増すごとに1人以上が標準。

ここで特に重要となってくるものは、

③看護職員・介護職員における<看護職員と介護職員の合計数の基準>

です。

次にこの計算方法について詳しく説明します。

3.3:1の常勤換算計算方法は?

1.利用者の計算方法

ここでいう利用者数とは、単純な利用者数とは違いますので、注意が必要です。

利用者数=要介護者の数+(要支援1+要支援2の数)×0.3です。

前年度の利用者の実績の平均で割り出すことになっていますが、実績のない新規施設の場合は、定員の90%の人数で計算することとなっています。

例)前年度 要介護者40人 要支援者5名の場合

40(要介護者)+5×0.3(要支援者)=41.5 利用者数は41.5人となります。

例)前年度実績なし 定員50人の施設の場合

50×0.9=45 利用者数は45人となります。

 

利用者の計算方法については、都道府県により若干違いがあることがありますので、詳しくは各都道府県にお問い合わせください。

2.職員数の計算方法

上記で必要な職員の人数が把握できました。

そこで、職員の常勤換算数についても説明したいと思います。

職員数は、常勤の勤務時間を基準として計算します。

具体的には、非常勤の職員の勤務時間を常勤の職員の勤務時間数で割って計算します。

例)常勤職員の勤務時間40時間 非常勤職員の勤務時間20時間

20÷40=0.5

これであれば、非常勤職員は0.5人で計算することになります。

 

実際に、例をあげて計算してみます。

先ほどの41.5人の利用者数の施設の例で考えると・・・

41.5÷3=13.8888・・・となり、小数点以下切り上げで、14人の看護職員および介護職員が必要となります。

 

この施設に常勤12名、非常勤20時間勤務6名の職員がいるとすると

職員の総勤務時間 (12×40+6×20)÷40~=15

常勤換算では15人の人員がいることとなり、基準は満たされます。

このようにして、人員基準を満たす人員がいるかどうかを確認します。

人員基準を満たしていない場合は、減算の対象となるため注意が必要です。

おわりに

今回は介護付き有料老人ホームの人員基準について、説明しましたが、お分かりいただけましたでしょうか?

基本となる3:1の考え方をきちんと覚えて、減算にならないように確実な経営をしたいものです。

今後ますます多様化したサービスをもつ施設がふえ、人員基準も変化していくことが考えられます。

介護保険の動向を注意深く見ていきましょう。

 

最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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人員基準について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

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