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訪問介護事業所の人員基準とは?

2025年問題が間近となり、在宅における介護サービスが脚光を浴びています。

出来る限り住み慣れた自宅・地域で過ごせるように、要介護高齢者を支える在宅サービスの需要はこれからも高まっていくのではないでしょうか?

この記事では、在宅サービスの一つである、訪問介護事業所の人員基準について説明していきたいと思います。

健全な経営をしたいとお考えの方、訪問介護事業に参入を検討しておられる方、ぜひ参考になさってください。

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訪問介護事業所の人員基準とは?

はじめに、訪問介護や人員基準についておさらいをして、訪問介護における人員基準を説明したいと思います。

訪問介護とは、訪問介護員が利用者の居宅を訪れて行うサービスです。

サービスは、大きく分けて身体介護と、生活援助の2種類に分けられます。

 

身体介護は、利用者さんの身体に直接接触して行う介護サービスで、ADLや意欲の向上のために、利用者と共に行う自立支援のためのサービスです。

入浴・排泄・食事・移動等の介助がこれに該当します。

生活援助とは、身体介護以外の日常生活に関わる援助です。利用者本人が独居の場合や、同居する家族も病気や障害等で家事を行うことが困難な場合に提供されるサービスです。

調理・掃除・洗濯などが該当します。

 

上記以外にも、生活に対する相談や助言その他の日常生活上の世話もサービス内容に含まれています。

訪問介護の対象者は、要介護1以上の認定を受けている人です。

(予防訪問介護の対象者は、要支援1以上の認定を受けた人になります)

介護保険の単位数は、身体介護・生活援助・通院等乗降支援の3種類に分けられ、身体介護・生活支援は提供時間ごとに単位数が変わります。

サービスは、各事業所のサービス担当責任者が作成した、訪問介護計画書に沿った内容で提供することになっています。

訪問介護計画書は居宅介護計画書の内容に沿ったもので、本人・家族の希望やサービス担当者会議の内容を反映したものなくてはいけません。

 

次に、人員基準とはどのようなものでしょうか?

人員基準とは、事業を提供するにあたって最低限守らなくてはならない、配置人数・職種についての基準です。

言い換えれば、サービスを提供するために必要最低限の人数であるため、基準を満たしていないということは、サービスが満足に提供できないとみなされてしまいます。

そのため、基準を満たしていないと判断された場合には、減算や指定取り消しなどの罰則があるので、注意が必要です。

 

それでは、訪問介護における人員基準とはどのようなものでしょうか?

 

介護保険法で定められている人員基準は

  1. サービス提供責任者
  2. 介護職員 
  3. 管理者

となっています。

この3項目について、以下で詳しく説明します。

1.サービス提供責任者

訪問介護では、上記で触れたサービス提供責任者の数が重要になります。

サービス提供責任者は、利用者・家族の希望を聞いたり、介護支援専門員やその他職種との調整を行ったり、訪問介護計画書の作成をしたり、訪問介護員の調整を行なうなど、訪問介護事業においては、重要な調整役となります。

そのため、その配置人数に細かい規定があります。

 

※サービス提供責任者になるには、下記いずれかの資格が必要です。

①介護福祉士 ②実務者研修修了者 ③旧・介護職員基礎研修課程修了者 ④旧・ホームヘルパー1級課程修了者 ⑤3年以上介護等の業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者(旧・ホームヘルパー2級課程修了者も含む)

サービス提供責任者は、訪問介護員を兼務することが可能です。

<サービス提供責任者数の配置基準>

サービス提供責任者の配置については、指定訪問介護事業所ごとに

利用者の数が40人またはその端数を超えるごとに1人以上のものを配置

することが基本です。

 

※ここでいう利用者数とは、前3カ月の利用者数平均値となります。

平均値=前3月の暦月ごとの実利用者数÷3

(通院等乗降介助のみを利用した利用者は0.1人で計算します)

利用者数 サービス提供責任者数
利用者数≦40人 常勤1人以上
40人≦利用者数≦80人 常勤1人以上
80人≦利用者数≦120人 常勤3人以上
120人≦利用者数≦160人 常勤4人以上
160人≦利用者数≦200人 常勤5人以上
200人≦利用者数≦240人 常勤6人以上

上記表のように全て常勤のサービス提供責任者が必要ではなく、利用者の数が40人を超える場合には、常勤換算方法が使用できます

しかし、常勤換算方法を使用する場合は次の要件を満たす必要があります。

① 常勤換算方法で 利用者÷40(小数第一位に切り上げ)以上配置する事。

② 非常勤者は常勤換算で0.5以上の勤務時間があるものに限る

③ 利用者数が40人≦200人の場合。常勤換算方法を使用しない人数から1を引いた数の常勤者を配置する。

④ 利用者数が200人以上の場合。常勤換算方法を使用しない人数の3分の2以上(1の位に切り上げ)の常勤を配置する。

利用者数 必要常勤換算数 必要常勤数
70人 70÷40=1.75  1.8人以上 2-1=1人以上
110人 110÷40=2.75  2.8人以上 3-1=2人以上
150人 150÷40=3.75  3.8人以上 4-1=3人以上
190人 190÷40=4.75  4.8人以上 5-1=4人以上
230人 230÷40=5.75  5.8人以上 6×2÷3=4人以上
270人 270÷40=6.75  6.8人以上 7×2÷3=4.66
5人以上

以上が基本的考えになります。

 

しかし、2015年(平成27年)の改正において、要件を満たせば指定訪問介護事業所ごとに

利用者の数が50人またはその端数を増すごとに1人以上のものを配置

と、基準緩和されました。

緩和に必要な要件は、下記3項目をすべて満たすことです。

 

① 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置している。

② サービス提供責任者の業務に主として従事するものを1人以上配置している。

 →サービス提供責任者の業務に主として従事するものとは、当該事業所で訪問介護員として行ったサービス時間が、月30時間以下の者

③ サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合

 →サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合とは、サービス提供責任者が行う業務のうち、介護計画書の作成や、訪問介護員の業務調整などが、ソフトウエア等の使用により、省力化・効率化されていること

 

緩和した要件で計算をすると、以下のようになります。

利用者数 必要数 常勤換算方法を使用する場合の必要数
利用者数≧50人 常勤1人以上 常勤3人以上
50人≦利用者数≦100人 常勤2人以上 常勤3人以上
100人≦利用者数≦150人 常勤3人以上 常勤3人以上
150人≦利用者数≦200人 常勤4人以上 常勤3人以上
200人≦利用者数≦250人 常勤5人以上 常勤4人以上
250人≦利用者数≦300人 常勤6人以上 常勤4人以上
300人≦利用者数≦350人 常勤7人以上 常勤5人以上

2.訪問介護員

<訪問介護員の配置基準>

常勤換算方法で、2.5人以上

ただし、管理者として勤務した時間は除いて計算する必要があります。

サービス提供責任者として勤務した時間も計算に含めることが出来ます。

また、利用者がいない場合でも、2.5人は確保しなければいけません。

3.管理者

専ら管理の職に従事する常勤の者1名。

ただし業務に支障がない場合は同一事業所の他の職種と兼務してもよい。

訪問介護事業所の陥りやすい人員基準違反とは?

<サービス提供責任者不足>

上記で示したように、訪問介護では常勤換算方法を利用することがおおく、計算方法も複雑なため、常勤数の不足が起こりやすくなっています。

前3カ月の利用者数を毎月計算し、それに見合った職員数を確保するように気を付けなくてはなりません。

また、常勤換算法を利用する場合の非常勤者は、常勤換算で0.5以上の勤務時間があるものに限ると規定があるため、注意が必要です。

<訪問介護員不足>

常勤換算数で2.5人となるため、訪問時間の少ない訪問介護員が多い場合は満たされていないことがあります。

月単位の延べ時間での計算が必要となりますので、延べ時間数を常勤勤務時間で割った数が、2.5を上回るのか気を付けてみていきましょう。

訪問介護事業所の陥りやすい人員基準欠如減算とは?

<サービス提供責任者の資格による減算>

サービス提供責任者になりえる資格のうち、⑤3年以上介護等の業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者(旧・ホームヘルパー2級課程修了者も含む)が、サービス提供責任者となる場合は、減算となることが定められています。

<訪問介護員・サービス提供責任者不足による減算>

人員の欠如があった場合、欠如があった月から改善されるまで、単位数に100分の70をかけた数に介護報酬が減算されます。

まとめ

訪問介護における人員基準を見てきましたが、いかがでしたか?

訪問介護では、サービス提供責任者・訪問介護員共に配置数に常勤換算方法を使用することが多く、混乱しやすいですが、間違いなく計算をして、基準を満たさなくてはなりません。

基準を満たさないと、減算や違反の対象になりますので、陥りやすい事例も参考に注意していきましょう。

基準を満たすということは、利用者に良い介護を提供する第一歩であると思います。

より良い事業所運営を願っております。

 

最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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人員基準について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

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