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介護支援ブログ

介護制度について分かりやすく解説しています。介護に関っている全ての方々に役立つ総合介護情報サイト目指しています。現在は主に介護職員処遇改善加算、キャリアパス要件、介護保険施設等の実地指導について執筆中です。

介護保険請求とは ~請求の流れと請求・支払いスケジュール~

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 まずは介護保険請求について、実際の流れとスケジュールを確認しましょう!

 

請求の流れ

居宅介護支援事業所の場合

  1. 利用者より、サービス計画の作成依頼を受け、契約を行います
  2. 利用者へ、利用票を交付します
  3. サービス提供事業所へ、サービス提供の依頼・調整の後、サービス提供票を交付します
  4. サービス提供事業所より、実績の報告を受けます
  5. 国保連合会へ、請求を行います(給付管理票・介護支援費請求明細書等の作成・送付)
  6. 国保連合会より居宅介護支援費の支払いを受けます

 

居宅介護支援事業所が、地域包括支援センターから委託を受けた場合

※利用申し込み受付・契約及び介護予防支援費の請求事務以外

  1. 地域包括支援センターから委託を受けます
  2. サービス計画書を作成、それに基づき、サービス提供事業所へサービス提供の依頼、調整の後、サービス提供票(初回・変更の時のみ)を交付します
  3. サービス提供事業所より、実績の報告を受けます
  4. 地域包括支援センターへ、実績を提出します(委託費請求書・実績報告書以外の提出物は、各地域包括支援センターの指示による)
  5. 地域包括支援センターより、委託費の支払いを受けます

 

サービス提供事業所の場合

  1. 居宅介護支援事業所より、サービス提供依頼の受付・調整の後、サービス提供票の交付を受けます
  2. 利用者との契約、サービス提供を行います
  3. 居宅介護支援事業所へ、実績の報告を行います
  4. 国保連合会へ、請求を行います(介護給付費明細書の作成)
  5. 利用者へ請求を行い、支払いを受けます
  6. 国保連合会より、介護給付費の支払いを受けます

施設サービス(介護福祉施設・介護保健施設など)の場合は、施設内に計画作成担当者を配置しています。そのため、居宅介護支援事業所とのやりとりはありません。

 

請求と支払いのスケジュール 

各事業所は、サービス提供月(N月)の翌月(N+1月)10日までに国保連合会へ請求します。ただし、翌月10日までに請求できなかったケースについては、翌々月(N+2月)以降に請求することが可能です。これを「月遅れ請求」と呼び、2年間の時効期間が定められています。尚、時効起算日は、サービス提供月の翌々々月(N+3月)1日となります。

 

国保連合会へ提出した書類は審査され、審査結果とともに各保険者へ提出されます。保険者から国保連合会へ支払いがなされ、国保連合会から事業所へ支払いされるのは翌々月(N+2月)末頃です。介護給付費の請求は、原則、伝送もしくは磁気媒体での電子請求とされています。

 

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居宅介護支援事業所の請求・支払いスケジュール

  1. 毎月20日~10日頃まで:翌月のサービス提供票を作成し、サービス提供事業所へ送付
  2. 翌月5~6日頃まで:サービス提供事業者より、実績を受け取る
  3. 翌月10日頃まで:帳票類を作成し、国保連合会へ提出
  4. 翌々月末頃:国保連合会より支払いを受ける

 

サービス提供事業所の請求・支払いスケジュール

  1. 月末まで:翌月分のサービス提供票を収集、サービス提供票の確認と利用予定表の作成
  2. 月末~初旬頃まで:実績の作成/居宅介護支援事業所へ送付
  3. 翌月10日頃まで:帳票類を作成し、国保連合会へ提出
  4. 翌々月末頃:国保連合会より支払いを受ける

 

10日が土日祝日だった場合など、期日が早まる場合がありますので注意しましょう。

また、毎年、各都道府県の国保連合会が年間の締め切り日等一覧を提示していますので、印刷しておくことをお勧めします。

 

施設サービス(介護福祉施設・介護保健施設など)の場合は、施設内に計画作成担当者を配置しているため、居宅介護支援事業所とのやりとりはありません。

 

スムーズな請求業務のために、事前にやっておきたいこと

請求業務をスムーズに進める上で、事業形態毎に取り組みたい事前準備があります。

 

居宅介護支援事業所

◎予定変更の場合の連絡

サービス提供票の予定が変更になる場合、サービス提供事業所へ連絡を忘れずに行いましょう。電話連絡だけだと担当者へ伝わらないこともあるため、変更したサービス提供票を送付し直すことをお勧めします。

 

◎日付により単位数が変わるサービスをチェック

福祉用具貸与に関しては、開始・終了・入院・退院の時期(日付)により、半月分の単位数になります。サービス提供票作成時には、特段の注意が必要です。

 

◎区分変更時の注意点

  • 申請の日付により、サービス提供事業所の単位数も変わります。そのため、区分変更をする際は、事前にサービス提供事業所へ連絡しましょう。
  • 要介護度が確定するまでは、請求をストップするようサービス提供事業所へ申し添えましょう。
  • 認定確定後はすみやかにサービス提供事業所へ結果を連絡し、確定後のサービス提供票を交付します。またその際、月遅れ請求をいつ行うのかも併せて連絡しましょう。

 

◎自費分が出た場合

利用限度額ギリギリの単位数で組んでいる場合などは、急な利用追加や変更などで単位数オーバーになることがあります。変更や追加利用の際は必ず単位数を確認しましょう。

 

◎未請求ケースの確認

申請中や区分変更中などの理由で、国保連合会への請求をストップしていたケースを確認します。確認漏れのないよう、該当ケースはすぐにリストに記載し、毎月の請求業務前に確認すると良いでしょう。

 

サービス提供事業所

◎サービス提供票の確認

サービス提供票が届いたら、その内容を確認し、間違いがあれば居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーへ連絡を入れましょう。

※サービス提供票の確認内容

  • 事業所番号
  • サービスコード
  • 加算の内容
  • 自事業所の該当する自費

 

確認後、それぞれの事業所で作成する利用予定表に予定を転記していきます。利用予定表は1週間・1か月・1日単位とそれぞれのサービス内容によって作成されているはずです。月末の集計が行いやすいよう工夫しましょう。予定と実績が加算も含めて分かるようになっていると、請求業務の際に便利です。

 

◎利用時のサービス提供の確認

利用時には、サービス提供票と日時が合致しているか、再度確認を行いましょう。日々の確認を行っておくと、月末の集計の際の作業がはかどります。

 

◎変更時の居宅介護支援事業所との連絡

ご利用者の体調不良での利用中止や、利用はしたけれども時間を短縮したなど、サービス提供票の内容と実際で違いが出た場合は居宅支援事業所の担当ケアマネジャーへ連絡を入れましょう。変更が多いご利用者は、実績でまとめて報告すれば良いこともあります。また、提供時間が微妙な場合などは担当ケアマネジャーとよく相談し、請求単位を確認しておきましょう。

 

◎介護保険被保険者証の確認

請求の段階で新しい介護保険被保険者証の写しをもらっていないことに気付くと、請求が遅くなる場合があります。事前にご利用者やご家族に写しをもらうようにしましょう。尚、居宅介護支援事業所がサービス提供事業者へ介護保険証の写しを提供する義務はありません。

 

◎区分変更の方を確認

居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーから「○月○日付けで区分変更申請を出した」という連絡が来たら、該当のご利用者を請求業務時に分かるよう、月遅れリストなどに記録しておきましょう。

 

◎記録はその日のうちに

実施記録は、その日のうちに確認して完了させておきます。提供票と実績が合わない場合などには記録から確認作業を行うことになりますが、記録が不正確では確認作業がスムーズにいかなくなります。

 

施設サービス(介護福祉施設・介護保健施設など)の場合、施設内に計画作成担当者を配置しています。そのため、居宅介護支援事業所とのやりとりはありません。

 

提出書類と請求業務の流れ

居宅介護支援事業所

◎提出書類

  • 介護給付費請求書……請求額などの合計金額を記載する請求書です
  • 居宅介護支援費明細書……ご利用者単位の請求額(内訳)を記載する書類です
  • 給付管理総括票……給付管理票の総件数を記載する書類です
  • 給付管理票……ご利用者のサービス単位の内訳を記載する書類です

※帳票類はインターネットでフォーマットの入手が可能です

 

 

給付管理表フォーマット

(出典元:平成27年4月の介護報酬改定に対応した介護給付費請求書等の様式について)

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http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/appContents/20150312_01.html

 

◎請求業務の流れ

  • 1.実績を入力します
  • 2.入力内容を確認します。印刷せずにプレビュー画面で確認すると良いでしょう
  • ※加算・減算           各種加算の算定有無や、減算に該当する事項がないか確認 
  • ※加算を算定する場合は、各種加算算定要件を十分確認し、算定に必要な一連のプロセスに対する「記録・書類等」が揃っているか確認する。「確認事項」と「待ちやすい項目」を次ページに掲載しています
  • 3.提供票との突合作業を行います
  • 4.実績の単位数と提供票の単位数が合わない場合、確認を行います。サービス提供事業所側が単位数を誤っている場合は、すぐに連絡して確認を取りましょう
  • ※稀に限度額に算定されない加算の単位数(サービス提供体制加算・処遇改善加算)をカウントしてしまっている場合があります
  • 5.集計前に、もう一度請求漏れがないか確認します(月遅れ請求リストの確認)
  • 6.すべて確認が取れたら、それぞれの帳票を集計・印刷します
  • ※ソフトを利用している場合、実績を入力すると、それぞれの帳票に情報が飛ぶようになっています
  • そのため、帳票ごとの入力は必要ありません
  • 7.伝送・電子媒体などで、国保連合会へ提出します

※提出方法については、各国保連合会のホームページに詳しく記載されています

尚、利用されているソフトによって、実際の入力方法や順番などは異なります。事前によく確認してください。

 

確認事項 間違いやすい項目
個人情報など 生年月日や性別、介護保険証被保険者番号、サービス提供事業所の事業所番号
※新規の場合は特に確認すること
利用実績 実績の入力漏れや利用中止などがないか確認
加算・減算 各種加算の算定有無や、減算に該当する事項がないか確認
※加算に該当する場合は、各種加算算定用件を十分に確認し、算定に必要な一連のプロセスに対する「記録・書類等」がそろっているか確認する

 

 

サービス提供事業所

◎提出書類

  • 介護給付費請求書

 …請求額などの合計金額を記載する書類です

  • 介護給付費明細書

 …ご利用者ごとの請求額内訳を記載する書類です

 

 

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介護給付費明細書フォーマット

(出典元:平成27年4月の介護報酬改定に対応した介護給付費請求書等の様式について

 

 

◎請求業務の流れ

1.実績を確認・集計後、居宅介護支援事業所へ送付します
2.実績の入力作業を行います
3.入力内容が間違っていないか確認します
※「確認事項」と「間違いやすい項目」を次ページに掲載しています
4.実績との突合作業を行います
5.実績で送付した数字が間違っていた場合などは、居宅介護支援事業所へすぐに連絡します
※施設サービス(介護福祉施設・介護保健施設など)の場合は、施設内に計画作成担当者を配置しています。そのため、居宅介護支援事業所とのやりとりはありません
6.すべて確認し終えたら、それぞれの帳票を集計・印刷します
※ソフトを利用している場合、実績を入力すると、それぞれの帳票に情報が飛ぶようになっています。そのため、帳票ごとの入力は必要ありません
7.伝送・電子媒体などで、国保連合会へ提出します

※提出方法については、各国保連合会のホームページに詳しく記載されています

 

尚、利用されているソフトによって、実際の入力方法や順番などは異なります。事前によく確認してください

 

保険請求額の計算方法

保険請求額は、合計単位数(サービスごとの単位数に提供回数もしくは日数を掛けたもの)に単位数単価(地域区分/サービスの種類)を乗じて得た数の9割分です(本人負担がない全額公費支給の場合は、10割となります)。

 

■注意点

  • 単位数の計算の場合、小数点以下の端数処理は、「四捨五入」します(何らかの割合を乗ずる計算に限る)
  • 金額に換算する場合、小数点以下の端数については「切り捨て」になります

 

  • サービスコード表          

サービスごとの単価表です。インターネットなどでも入手可能なので、手元に用意しておくと良いでしょう。ソフト使用の場合は自動計算されますが、緊急時や概算請求の際に必要になります

  • 地域区分

直接介護サービスにあたる職員の人件費相当分について、地域差を勘案するために設けられています。介護報酬単価10円に「1 地域ごとの上乗せ割合」「2 サービス種類ごとの人件費割合」の2段階で行われています

 

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【表1】人件費割合と地域ごとの上乗せ割合

 

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[参考:厚生労働省 地域区分について

 

地域区分は地域ごとに決まっています。例えば東京23区は1級地ですが、多摩市は2級地、八王子市は3級地といった具合です。ご自分の事業所の地域区分を調べてみましょう。

 

【表2】人件費割合と適用サービスの種類

 

人件費割合 サービス種類
70% 訪問看護・訪問介護・訪問入浴介護・夜間対応型入浴介護・居宅介護支援・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
55% 看護小規模多機能型居宅介護・訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・認知症対象型通所介護・小規模多機能型居宅介護・短期入所生活介護
45% 通所介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護・地域密着型通所介護・認知症対応型共同生活介護・介護老人福祉施設・介護老人保健施設 介護療養型医療施設・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
0% 居宅療養管理指導・福祉用具貸与

[参考:2016年度版ケアマネジャー・ケアクラークのための介護サービスコード表(合成単数付)]

 

上記表1・2から東京都八王子市の訪問介護事業所について見ていくと、3級地の70%で単位数単価は11.05円となります。尚、介護給付費請求書の帳票上の計算については、「介護保険請求の流れ④」の資料をご覧ください。

 

利用請求額の計算方法

利用者への請求書には「I.介護保険自己負担分」と「II.介護保険外請求分」を合わせた金額を記載します。合算した金額だけ載せるのではなく、それぞれの金額について分けて記載することになっています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

介護保険自己負担分

利用者負担額は1割(もしくは2割)ですが、単純に介護保険の費用総額―10%で計算すると誤差が生じる可能性があります。これは介護報酬を算出する際、2回切り捨て処理を行っている為です。面倒ですが、下記の通り正しく計算しましょう。

 

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本人負担が0%の場合(生活保護等)や、100%の場合(自費分)もありますので注意しましょう。

 

介護保険外請求分

介護保険が適用とならない分の請求です。

 

介護保険外請求の例 備考
通所介護等の食事代  
入所施設等の居室代(家賃相当額など) 要算定根拠
紙おむつ・尿取りマット代 実費相当額
レクリエーション材料費 実費相当額

 

これらは、契約書等に記載されていることを条件に徴収できるものです。紙おむつ類の費用徴収は、通所系サービス・認知症対応型共同生活介護・特定施設入所者生活介護等、定められた施設のみ認められています。

 

利用限度額について

介護保険では、それぞれの要介護度に応じて給付で利用できる上限の単位数が決まっています。この単位数内で自己負担分は1割(もしくは2割)となりますが、利用できる単位数を超えてサービスをさらに利用した場合は、超えた分の単位数が全額自己負担(100%)となります

 

【区分支給限度額】

 

  居宅介護サービス 外部サービス利用型特定施設
入居者生活介護サービス
要支援1 5,003単位 5,003単位
要支援2 10,473単位 10,473単位
要介護1 16,692単位 16,203単位
要介護2 19,616単位 18,149単位
要介護3 26,931単位 20,246単位
要介護4 30,806単位 22,192単位
要介護5 36,065単位 24,259単位

 

 

  • 福祉用具購入費→年間10万円まで。(回数は問わない)
  • 住宅改修費→20万円まで。(一人1回。ただし大きく状況が変化した場合は再支給可)

[参考:2016年度版ケアマネジャー・ケアクラークのための介護サービスコード表(合成単数付)

 

 

尚、区分支給限度額に適用されない加算やサービスもあります。

 

<区分支給限度額に適用されない加算例>

  • 改善加算…介護職員処遇改善加算I・II・III・IV
  • 体制加算…サービス提供体制強化加算・総合マネジメント体制強化加算など
  • 地域加算…特別地域加算・中山間地域等提供加算など
  • その他…ターミナルケア加算・緊急時訪問看護加算など

 

<区分支給限度額に適用されないサービス例>

  • 居宅療養管理指導
  • 特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型・短期利用を除く)
  • 認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用除く)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 

◎限度額をオーバーして自費が出た場合

 

<居宅介護支援事業所>

単位数単価の低い福祉用具貸与から順番に、超えた分の単位数を振り分けていきます。

前回紹介した「【表1】人件費割合と適用サービスの種類」でいうと、パーセンテージの低い順(下から順)に自費分の単位を振り分けるイメージです。これは全額利用者負担となる自費分の金額を安く抑えるため。また、自費を超える金額については、必ず利用者(もしくは家族)へ了承をもらいます。さらに、該当のサービス提供事業所へも事前に連絡を入れます。

 

<サービス提供事業所> 

居宅介護支援事業所からサービス提供票が送られてきた時点で、自事業所分の自費がないかどうかを確認します。事前に居宅介護支援事業所から連絡が入りますが、連絡が抜けている場合もあるので、必ず確認しましょう。また、予定では自費が発生しないものの実績で限度額オーバーになってしまった場合(利用を緊急で追加した場合など)は、すぐに担当ケアマネジャーさんへ連絡を入れましょう。

 

自己負担割合について

これまで一律に1割負担とされていた利用者負担分が、一定以上の所得がある方は2割負担となりました(平成26年8月より)。これは、団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年以降も、持続可能な制度とするためとされています。介護事業者側は、介護保険負担割合証を確認して負担割合に応じた利用者請求を算出します。

 

2割負担の基準
単身世帯の場合 合計所得金額が160万円以上かつ年金収入とその他の合計所得金額の合計が、280万円以上の方
二人以上の世帯の場合 二人の年金収入とその他の合計所得金額の合計が、346万円以上の場合、合計所得金額280万円以上の方

 

 

  • 合計所得金額…収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除した後で、基礎控除や人的控除等の控除をする前の所得金額のこと
  • 世帯…住民基本台帳上の世帯を指す
  • その他の合計所得金額…合計所得金額から年金の雑所特区を除いた所得金額のこと

 

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【参考資料】

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[参考:厚生労働省パンフレット

 

負担限度額について

 

施設サービスやショートステイを利用した場合、介護サービス費用の自己負担分のほか、居住費(滞在費)や食費、日常生活費(理美容代など)などが発生します。ただし所得が低い方の費用負担軽減のため、居住費と食費の上限を決める「負担限度額」が定められています。この負担限度額は、利用者負担段階ごとに決められています

尚、その対象は要介護(要支援)認定を受けており、本人が所属する世帯員全員が住民税非課税となっている方。かつ、預貯金額等の合計が1,000万円(夫婦の場合2,000万円)以下の方です。

 

  • 食費・居住費の負担限度額一覧(単位:円/日)

負担限度額の利用には、負担限度額認定申請を行い、負担限度額認定証の発行を受ける必要があります。認定基準は、前年の世帯の課税状況及び本人の所得と課税年金の合計。介護保険請求が終わった後、負担限度額認定証を提示された場合は返戻過誤の作業が必要になります。認定証の有無は必ず確認しましょう。

 

利用者負担段階 居住費(滞在費)の負担限度額
ユニット型個室 ユニット型準居室 従来型居室 多床室
特養 老健療養 特養 老健療養
第1段階 ・老齢福祉年金受給者の方で、世帯員全員が住民税非課税の方
・生活保護を受給されている方
820 490 320 490 0 0
第2段階 ・世帯員全員が市町村民税非課税者で、本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方 820 490 420 490 370 370
第3段階 ・世帯員全員が市町村民税非課税者で、利用者負担第2段階に該当しない方 1,310 1,310 820 1,310 370 370
第4段階 上記に該当しない方 施設ごとに定める金額

 

 

<負担限度額の対象となるサービス>

  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 

特に新規ご利用の場合の請求業務の際は、登録を忘れずに行いましょう。更新は1年ごと。切り替えの時期には、認定証を必ず確認してください。認定証の有効期限は8月1日~翌年7月末日までとなっています。

 

算定構造について

介護報酬の算定構造は、「基本報酬」に「加算」や「減算」を積み上げる仕組みとなっています。

 

【訪問介護費の算定構造】

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「基本報酬」とは基本的なサービスごとに定められた単位数で、算定構造の「基本部分」に当たるものです。

これに対して「加算」は、質の高いサービスを行う事業所を評価するために設定されています。加算は「体制加算」と「実施加算」に大別。上記表で算定構造の「注」+部分と基本部分のニ・ホ、介護職員処遇改善加算部分に当たります。

 

体制加算は算定基準に定められた体制が整った際に、実施加算はサービスを実施した際に算定できます。ただし、事前に「介護給付費算定に係る体制状況」による届け出がないと加算は認められません。届け出日によって、サービスごとに加算を開始できる時期が決められています。

 

届け出後も、算定基準を満たしている必要があります。また基準を満たさなくなった場合も、届け出が必要です。算定基準に該当しなくなった場合、基本的にその日もしくは月から算定できません。

 

<加算名と加算適用要件(一例)>

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定められた基準を満たさなくなった場合で一定条件を下回る際は、規定に従って介護報酬額を減算しなければなりません。これは、算定構造の「注」×部分に当たります。

 

<加算名と加算適用要件(一例)>

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定められた基準を満たさなくなった場合で一定条件を下回る際は、規定に従って介護報酬額を減算しなければなりません。これは、算定構造の「注」×部分に当たります。

 

介護給付費明細書の計算について

◎様式第二(附則第二条関係)

 

■居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書

訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハ・居宅療養管理指導・通所介護・通所リハ・福祉用具貸与・定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護・認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)・小規模多機能型居宅介護(短期利用)・複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護・短期利用以外)・複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護・短期利用)・地域密着型通所介護

 

【要介護度4の1割負担の方がデイサービスを10回利用した場合の計算例】

  • 利用時間は9:00~16:00
  • 入浴介助も毎回受けた
  • 区分支給限度額は超えていない
  • このデイサービスの体制加算は処遇改善加算I のみ

 

<計算例>

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介護保険請求について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。