介護支援ブログ

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コミュニケーションの仕方で180度変わる!? ~認知症高齢者との接し方①~

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認知症高齢者との接し方① ~認知症に対する基礎知識~

 

 

はじめに

 

「明日あなたが担当するAさんは認知症をお持ちの方です」

 

こんな場面に出会ったとき、

 

「どう接したらいいんだろう?認知症の方はどう接したらいいかわからないから苦手だな……」

 

そう感じてしまうでしょうか?

苦手意識を持つのは、認知症という病気について知識が少なかったり、注意点など分からなければ当然のことかもしれません。

 

しかし、大前提である“同じ人間である”ことには違いはありません。

 

高齢化社会の中で、認知症を患っている高齢者の方も軒並み増えてきています。介護の世界でも、認知症の方と接する機会は増えてくるでしょう。

 

そこで、認知症の知識をつけることで苦手意識を少しでも減らす手助けになればと、認知症の方との接し方や基本的な心構えについてまとめました。

 

 

 

認知症の方と接する前に知っておきたいこと

認知症になっている本人は自覚がない」と思っていませんか?

 

認知症がかなり進行してくると、判断能力や記憶力にも影響が強く出る為、本人は自覚できないケースが増えています。

しかし、認知症の初期段階では周りの人よりもより早く気付くのが誰でもない本人なのです。

 

人は誰しも年齢を重ねるにつれて、いつか自分も認知症になってしまうかもしれないという不安を抱えることが多くなります。その為、やろうとしていたことを忘れた、いつもできていたことに時間がかかるという小さな変化にも気づきやすくなるのです。

 

そしてちょっとした物忘れだと思いたい気持ちと、もしかして認知症が始まったのかもしれないという不安な気持ちに苦しんでしまいます。

 

そんな時に周りから、忘れちゃった? とか、できると思っていることを手助けされるとひどく傷ついてしまうのです。

 

これは性格的なものもありますが、しっかり者の人ほどプライドを強く傷つけられたと感じ、羞恥心を持ちます。そして介護やサポートを拒否し、心を閉ざしてしまうことがあります。

 

認知症にかかっている人にも自覚があり、悲しみと戸惑いを感じていることを知っておきましょう。

 

認知症の方と接する心構え

認知症の方と接するときの心構えとして意識して欲しいことが2つあります。それは「信頼関係を築き、それを維持する努力」と「人として接する」ことです。

 

家族や友達そして職場の人間関係でも同じではないでしょうか? 

そうなのです、基本的には何ら変わらないのです。相手が認知症であっても“人”対“人”であるということに変わりはありません。

 

しかし認知症になってしまうと自分の思いや考えを相手にうまく伝えられません。

また、介護する側も認知症の人が何を望んでいるのか、何を感じているのかを正確に理解することが難しくなります。

 

つまり双方のコミュニケーションがスムーズにいかないという問題がある為、より細やかに丁寧に接する必要性が出てきます

 

認知症の方に、この人は私の味方であると信頼してもらう事で介護を受ける体勢が整います。また同時に介護をする人自身も、相手を大事に思っている、尊重しているという姿勢を見せることです。忙しい介護の仕事の中で、ふとすれば事務的になっている動作を、黙っていても認知症の方は感じています。

 

あなたが接しているのは“物”ではなく、“人”であるということを再度心に刻みましょう。

 

相手は認知症だから分からない!?

「認知症の人はすぐに忘れるから、気にしなくていいだろう」「特に表情も変えないし、いつも通りやっていればいいだろう」

 

介護をしている相手が認知症だからといって、傷つかないわけではありません。愚痴や噂話などが聞こえていないとは限りません。むしろ不安や自分の思いが伝えられないもどかしさなどから、感情には敏感になっています

表情に出さなくても感受性が高くなっていることもありますので、耳に入れないように配慮しましょう。できる限り相手の心を不安にさせない話し方をすることも大切です。

 

  • 目線を合わせよう

相手が座っている時は自分もかがむ、横を向いているときは視界に入る場所へ移動することです。「あなたと話がしたい」ということを認識してもらう事と、相手にも準備をしてもらう為です。

 

  • 名前を呼ぼう

相手から名前を呼ばれることで人は親近感を感じます。相手がもし自分の名前を忘れていたとしても、名前を呼ぶことで相手の記憶に訴える可能性も秘めています。

 

  • 決定ではなく提案しよう

身体を拭きますよという決定事項を伝えるよりも、身体を拭きましょうか~、と少し提案系にすることで相手の反応を見ることも大事です。また「汚れたから拭きましょう」というより、「スッキリした方が気持ちが良くなるから拭きましょうか」と、相手のメリットになることを提案する話し方も有効です。

 

次回は、認知症高齢者と気持ちよく接するための5カ条、です。

 

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認知症加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

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